傷付き易い ページ18
結局昨日はそのまま起きる事無く朝を迎えた。
なんだか美術館に行くのに抵抗がある。
皆と、どんな顔して向い合えばいいか分からない。
「…おはよう。」
まだ開館前の暗く静かな美術館の絵画は、
小さな窓から入ってくる朝日だけで明るく照らされていた。
「あ！Aちゃんおはよ！」
Rasが元気よく私に挨拶する。
「おはよう。今日も元気だね。」
私も軽く挨拶を返す。
「…？館長さん、なんか元気ない？」
横にいたCptが言う。
「…そんな事、ないよ。」
軽く促し、私は正面玄関の鍵を開けに行った。
その途中、
「おはよーAさん…って、顔色悪いよ？大丈夫？」
きなこにまで心配された。
そこまでおかしいだろうか。
私は大丈夫だ、と話しかけられる度に答え、
遂に開館時間だ。
今日は1日気持ちが沈み、上手く接客も出来なかった。
果てには來瀬にも心配される程だ。
「先輩！具合悪いなら帰って大丈夫っすよ？！
私らでなんとかしますから…。」
「悪くない、平気だから。」
何故なんだろう。
自分の妄想の中でできた物事を
自分で勝手に脳内に反映させてしまうのだ。
「嫌いだ…。」
そんな私が、大っ嫌いだ。
ほぼ誰とも話さず、美術館は閉館時間を告げた。
騒がしかったメインホールは私一人だけになり、
あとは寂しく絵画が飾られているだけのこの世界。
「おい。」
そろそろ帰ろうと荷物をまとめ、
職員用出口に向かう途中だった。
「…あ、mondo…？」
mondoに話しかけられた。
なにを言われるかと身構えていると、
「なんで悩んでるのに俺達に言わない？
なんでお前は1人で抱える？」
「…え」
mondoの口からは予想外な言葉が出てきた。
「今日、ずっと落ち込んでただろ。
なのになんで俺らに言わない？
ちゃんと俺らの事頼ってよ。」
怒っているが、優しく私に言う。
「…皆館長が元気無くて心配してたんだから。」
最後に言われたその言葉が、
私の中の何かに引っかかったのか
不意に、涙を流した。
これにはmondoも驚いていたが
私が泣き止むまで背中を優しく摩ってくれていた。
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ぺっぱーみんとkk(プロフ) - ありがとうございます！！！これからもよろしくお願い致します！！！！ (11月9日 6時) (
レス) id: 1b7e41381c (このIDを非表示/違反報告)
おととめぐ(プロフ) - 続編…嬉しいです！！ (11月9日 0時) (レス) @page31 id: c7539b4f89 (このIDを非表示/違反報告)
おととめぐ(プロフ) - こちらこそ！こんな素敵な作品を…！なるほど…もう一周してきまーす！ (11月6日 17時) (レス) id: c7539b4f89 (このIDを非表示/違反報告)
ぺっぱーみんとkk(プロフ) - わぁぁぁ！！！ありがとうございます！館長の絵画達への感情変化などにも注目してみて下さい…新しい考えが浮かぶかもしれませんよ…！！ (11月6日 17時) (レス) id: 1b7e41381c (このIDを非表示/違反報告)
おととめぐ(プロフ) - 更新に感謝！！絵画達と別れてしまうのか…今後の展開が楽しみです！プレッシャーとしてではなく、純粋に受け取ってもらえると嬉しいです…！ (11月6日 16時) (レス) @page26 id: c7539b4f89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾒ布ｩ | 作成日時：2023年10月22日 16時
