ほのかに香る灰と ページ12
そんなこともありながらも明日は来る。
…今日は雨だからか人が少ないし、どんよりとしている。
その分私は自由に動けるし、好きな絵画を見れる。
どこからか、ツンと鼻につく香りがした。
黒い煙が少し見える。
「…まさか、火事…？」
煙の出処を突き止めるべく、そこまで歩いた。
「…あ、館長。すいません、ここ禁煙でした？」
煙草を持った男が、私に気づき会釈する。
「…君も、絵画か…。」
呆れとともに、少し驚いた。
人が居る時は基本絵画達は大人しくなるからだ。
…今、例外か生まれたが。
「君、自分の絵に火が燃え移ったらどうするんだい？」
「まぁ、そこは注意してますし。」
そう言ってもう一本煙草に火をつける。
「…他のお客様の迷惑になるし、体に悪いぞ。」
「別に、吸ってて後悔したことないんで。」
…これはいくら説得しても意味がなさそうだな。
よし、強硬手段。
「あっ、」
男の手から煙草の箱とライター奪い、
届かないところまで逃げる。
「ほーら、止めない君が悪いからね。」
男は少し不貞腐れた顔をして、私を睨む。
「大人気ない…」
男は呟き、口元を隠した。
「…自己紹介したら返してくれますか？」
「返答次第では。」
「あー、分かりましたよ…。」
男は渋々自己紹介を始めた。
「俺はVanillaです。気軽にバニラで大丈夫です。
館長との初対面なのに怒られて悲しいです。」
よく見ると確かに少し落ち込んでいるように見える。
「はい、よく出来ましたね。
でもちょっとだけ煙草は貰ってくよ。」
箱から何本か煙草を取り出す。
「せっかく正直に話したのにぃ…。」
寂しそうにするバニラを無視し、私は館内を後にした。
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ぺっぱーみんとkk(プロフ) - ありがとうございます！！！これからもよろしくお願い致します！！！！ (11月9日 6時) (
レス) id: 1b7e41381c (このIDを非表示/違反報告)
おととめぐ(プロフ) - 続編…嬉しいです！！ (11月9日 0時) (レス) @page31 id: c7539b4f89 (このIDを非表示/違反報告)
おととめぐ(プロフ) - こちらこそ！こんな素敵な作品を…！なるほど…もう一周してきまーす！ (11月6日 17時) (レス) id: c7539b4f89 (このIDを非表示/違反報告)
ぺっぱーみんとkk(プロフ) - わぁぁぁ！！！ありがとうございます！館長の絵画達への感情変化などにも注目してみて下さい…新しい考えが浮かぶかもしれませんよ…！！ (11月6日 17時) (レス) id: 1b7e41381c (このIDを非表示/違反報告)
おととめぐ(プロフ) - 更新に感謝！！絵画達と別れてしまうのか…今後の展開が楽しみです！プレッシャーとしてではなく、純粋に受け取ってもらえると嬉しいです…！ (11月6日 16時) (レス) @page26 id: c7539b4f89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾒ布ｩ | 作成日時：2023年10月22日 16時
