昔の私 ページ33
嗚呼、殺 そう。
誰だか知らないけど、何故だが解らないけど。
今、アイツを凄く殺 したいんだ。
ほら、私の世界はとテモ静カ。
コレナラ集中シテ想像出来ルネ。死 ンデイルトコロヲ。
「さようなら」
ソウ言ッテ私ハ、アノ人ガ死 ンデイルトコロヲ想像シ…
ドゴォォォォン！！！！
「…っは！」
突然響いた轟音で私は、ふと、我に返った。
粉々に崩れた岩壁からは、緑谷くんの姿が。
何故緑谷くんがここに居るのか。そんな事を考えられる程、私には余裕が無かったから。
もし緑谷くん達が来なかったら、私は…。
決めたはずだ。もう殺さない、と。
それなのに感情が酷く高ぶって、顔を出しかけた。昔の私が。
真っ直ぐ前を見据えて立ち向かう君は、本当にヒーローだよ。緑谷くん。
よく分からないけど、雄英生が居るってことは、近くにプロヒーローも居るはず。
私は立場上、見つかってはいけない存在だ。
だから、私は、ここを立ち去らなくてはならない。
本当は、壊理ちゃんを最後まで助けたい。
この接戦で、負傷した人も居るはずだ。
その人達に、私の異能で応急措置だけでもしてあげたい。
でも私は、多分無力だろう。
何故なら、今の私は個性が効いてしまうから。
壊理ちゃんを触れた時に感じた衝撃も、多分個性が作用したものだ。
本来ならば、私は影響を受けないのに。
「壊理ちゃん。きっと、居るから。『ヒーロー』は、居るから。
だから………諦めないで。」
そう言って私は『無我夢中』、ホテルの自室に居るところを想像した。
これ以上居れば、また、治崎への燻(くすぶ)る殺意が蘇りそうだったから。
これ以上自我が飛べば、私は、自分をコントロールできないだろう。
自分の両手を見ると、今までの返り血が、こびりついている様に見えた気がした。
赤黒く、染まっている。
気がつくと私は洗面所に駆け込み、手を洗っていた。
何度も何度も石鹸で洗い、冷水で手の感覚が無くなるまで洗い続けていた。
奥底に閉じ込めた『昔の私』が、私を乗っ取りそうになる。
柄にもなくそれが、酷く恐ろしかった。
*
ここ最近シリアスばかりですね……。
脱シリアスに向けて制作していくので、
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みあ(プロフ) - 一気読みしてしまいました…っ！続きがめちゃくちゃ気になります！！！更新お待ちしております！！ (2020年2月14日 2時) (
レス) id: 5ed90a1a36 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(プロフ) - すごく話が面白く、続きが気になります！！今更ですが、良かったら更新してほしいです！！！気長に首を長くして待ってますw！！ (2020年2月13日 19時) (レス) id: 2ec471160d (このIDを非表示/違反報告)
なづ(プロフ) - はるさん» コメントありがとうございます!!!お返事が遅くなり、本当にすみません…。これからはなるべく更新出来るようにしますので、よろしくお願いいたします((*_ _))ﾍﾟｺﾘ (2019年5月5日 20時) (レス) id: aeae5a505f (このIDを非表示/違反報告)
はる - 面白いので好きです。続きが気になりますので早く更新してください。【求む更新】どうも はる でした (2018年11月26日 21時) (レス) id: d352232727 (このIDを非表示/違反報告)
なづ(プロフ) - AtRファンさん» コメントありがとうございます！いつも見てくださっているとは…！楽しんで読んで頂けて、嬉しい限りです！！更新頑張ります！ (2018年9月27日 21時) (レス) id: aeae5a505f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なづ | 作成日時：2018年8月17日 23時
