解らない。 ページ32
訳が解らない。
私は異能者で、治崎は『個性持ち』のハズ。
それなのに、だ。
「援護、感謝します。しかし貴女(あなた)は深手だ。壊理ちゃんの保護をお願いしますっ」
そう言って、ミリオ先輩は治崎へ立ち向かって行った。
殴り合う治崎と、ミリオ先輩。
私も加勢したいけど、ミリオ先輩の言う通り、結構な深手。
壊理ちゃんを保護してから、『無我夢中』で治そう。
私はジンジンと熱い横腹を半ば無視しながら、壊理ちゃんの側へ向かった。
「壊理ちゃん。お姉さんと、ここから出よう。」
そう声をかけてみたけれど、壊理ちゃんはミリオ先輩のマントにくるまったまま、震えている。
その視線の先には、
腹部を貫かれた、ミリオ先輩が居た。
「ヒーローになりたかったか。壊理を助けたかったかルミリオン。」
小さい子がこんなん見せられたら…
希望なんて、踏み躙(にじ)られる。
「…大丈夫だよっ、壊理ちゃん。
お姉さんの仕事仲間にね、どんな怪我も治しちゃう個性を持った人が居るんだ。
だから、ルミリオンは、大丈夫。」
そうだ。最悪、与謝野先生を説得して治して貰えば良い。
だから、お願い。そんな顔をしないで、壊理ちゃん。
昔の私を見てるようで、つらいんだ。
「…で、も…っ、私の個性は…っ」
「心配しないで。私は個性なんか効かないから！」
そう言って壊理ちゃんの震える手を握った途端、
「っ…！！！！」
電流が流れた様な感覚に襲われた。
お互い、とっさに手を離す。
「きゃあっ…ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」
その瞬間、横腹の痛みが、消えた。
見ると、破けたスーツから肌が露出している。
「言っただろう、壊理。
お前は、生きている事自体が罪なんだ。」
治崎は、鋭い目つきで壊理ちゃんを見つめながらそう言った。
その時、私の中でプツンと何かが切れた音がした。
「巫山戯んなよ、アンタ…。」
小さな女の子を傷つけて。
相澤先生を閉じ込めて。
ミリオ先輩の個性を奪って。
久し振りに抱(いだ)いた、殺意。
「『巫山戯んな』？それはこっちのセリフだ。
銃を返せ。」
なんだか、周りの音がくぐもって聞こえ始めた。
私の頭の中は、ただ一つの事だけで占められていた。
治崎を、殺 す。
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みあ(プロフ) - 一気読みしてしまいました…っ！続きがめちゃくちゃ気になります！！！更新お待ちしております！！ (2020年2月14日 2時) (
レス) id: 5ed90a1a36 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(プロフ) - すごく話が面白く、続きが気になります！！今更ですが、良かったら更新してほしいです！！！気長に首を長くして待ってますw！！ (2020年2月13日 19時) (レス) id: 2ec471160d (このIDを非表示/違反報告)
なづ(プロフ) - はるさん» コメントありがとうございます!!!お返事が遅くなり、本当にすみません…。これからはなるべく更新出来るようにしますので、よろしくお願いいたします((*_ _))ﾍﾟｺﾘ (2019年5月5日 20時) (レス) id: aeae5a505f (このIDを非表示/違反報告)
はる - 面白いので好きです。続きが気になりますので早く更新してください。【求む更新】どうも はる でした (2018年11月26日 21時) (レス) id: d352232727 (このIDを非表示/違反報告)
なづ(プロフ) - AtRファンさん» コメントありがとうございます！いつも見てくださっているとは…！楽しんで読んで頂けて、嬉しい限りです！！更新頑張ります！ (2018年9月27日 21時) (レス) id: aeae5a505f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なづ | 作成日時：2018年8月17日 23時
