認知済 -まふまふ- (ページ15)

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おはようと行ってらっしゃいページ15

朝とは言い難い、11時30分。
大慌てで顔を洗って、ご飯を作る。

今日は大事な打ち合わせがある。
それなのに、随分とのんびり寝すぎて、家の中をバタバタと駆けずり回る。

「うるさい〜」

ま「あぁごめん！おはよ！
ご飯作ってるから食べなよ！
俺もう打ち合わせあるし出るから！」

「おんおはよう、いくら暑いからってパンイチはないぞ」

寝起きのAにそう言われて気付く。
なにも履いてない。

ま「ヤバイ！こんな所でドジっ子スキル発動した！！」

「別にそんなスキル持ち合わせてないし、いろはとぽてとビビりまくってるからはよ行って、遅れるで」

しゃがみこみながら、丸まっているいろはとぽてとを撫でるAに急かされ、バッグを持って玄関へ走る。

「ハイ、いろは、ぽてと
パパに行ってらっしゃい」

2匹を抱きながら、玄関までやってきたA。

器用にいろはとぽてとの前足を持ち上げて、手を振るように左右に動かす。

ま「ふふ、行ってきます。
今日はすぐ帰ってくるからね」

「とかいいつつ、いつも予定時間過ぎて遅れるん誰ですかーってw
ま、今日はアタシ休みやし、ご飯作って待ってるから」

ま「じゃあね〜、オムライス食べたい」

「ハイハイ分かったから。
はよ行かな遅れるで」

行ってきます。とそんな意味を込めて、Aの頬をキスをして外へ飛び出した。

きっと彼女は照れて、2匹を抱き締めながらしゃがみ込んでるだろう。

いつだったか、おはようと行ってらっしゃいを言われたいと願った日があった。
それが現実にある今、とても幸せで。

今までの幸せをどんどんとこれから塗り替えていくんだろう。

これから先待つ未来で、信頼出来る友人たちを集めて、ウエディングドレス姿のAを見れたら。
ボクらの事をパパ、ママと呼んでくれる子供ができたら。

きっとボクは、この上ない幸せに浸ることができるんだろうな。

それは恐らくそんなに先のことがじゃなくて。

想像するだけで、何だか顔が緩んでくる。

あぁ、きっとこれから辛いことがあっても、Aとなら逃げずに乗り越えられる。
これまで乗り越えて来れたから。

きっと、じゃなくて、絶対。

Aとじゃなきゃ、ボクは幸せになれないんだろう。