夏油救済

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あの紙袋の術式ってどんなんだっけか


どれを本体にするか自由に選択できる分身
最大何体まで出せるのかが全然思い出せないけど

『まぁ一体なら無問題っしょ！』



自分をもう１人目の前に出す
げっ、自分って傍から見るとこんな感じなんだ
あの紙袋被ってた理由が分かった気がする




夏「いけそうかい？」

『うん、たぶんいける』

ここからは自分の術式のちょっとした実験、術式の併用



・いま出した分身を風で出来るだけ遠くに吹っ飛ばす

・吹っ飛ばした分身を本体に


一瞬とはいえ分身術式と風の術式を同時に扱う
失敗した所で命の危険はないし細かい呪力操作もない

何よりこんくらい出来なきゃ楽しくないよね




夏「目が輝き過ぎじゃないか」

『えーそんな全然早く試してみたいとかさぁ！』




耳元を風が掠めてゆく

風を吸い込みそして吐き出す

自分の呼吸が聞こえる
眼下、学校の近くに傑と黒井さんが見える
大きく手を振ると呆れた様子



うん、上手くいった。後は1番問題の着地のみ
ミスったら最悪ﾀﾋぬからなぁ悟受け止めてくれんかな

視界の端でキラリと光るサングラスと白髪
そんな遠くには行ってなかったみたいだ




悟と理子ちゃんの名前を大声で叫びながら落下する


天「な！？ ぉ、親方 空から女の子が！！」

五「●ズーじゃねぇけど、受け止めてやろうかA！！」











、











、













『いやぁ… はは、なんとかなったかな』

ペタンと尻もちをつく
なんとか着地した場所は悟達の隣の建物

これで便利な移動手段を手に入れたわけだが
まぁ心臓に優しくないので滅多に使う事はないと思いたい


「!! …さっきの術師か！」



悟と相対する紙袋の隣から新たな紙袋が出てくる

天「増えた！ 5人じゃ！！」

五「どこがいいんだよ こんなガキ」


悟が手をかざすと囲うようにして立っていた紙袋の分身2体が引き寄せられ頭上でぶつかり消えることなく倒れる


天「式神が消えん、どれが本体じゃ！？」

五「式神じゃねぇ分身だ 全部本体のな」

掲げられた左手は理子ちゃんに添えられ浮いてる？状態

隙の空いた悟に紙袋2人が殴り掛かるも拳は体に触れることなく
直前で止まってしまう
アキレスと亀、勉強は大事って話と言いながら2体を伸す

悲しいかなわたしのことは眼中にないらしく
馬鹿みたいに悟に突っ込んで行った4体が無様に転がっている

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