夏油救済 (ページ21)

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殺(と)った！の声と共に呪具なのか
ナイフをかざす呪詛師を躊躇いもなく迎え撃つ傑

これが目にも止まらない速さってやつか、
目を逸らさず瞬きもせず見ていたはずなのに気が付いたら呪詛師は壁にもたれて倒れていた

もちろん傑は無傷である

「誘っだな"…!?」

夏「まぁね 3000万を目の前にアンタずっと近づきたくてウズウズしてたろ
勝ち方が決まってる奴は勝ち筋を作ると簡単にノってくる
そんなことより…

あんた"Q"？それとも盤星教？」

無下限は意識したまま隣に並ぶと
動きを見せた呪詛師の手元から傑が御札を奪っていた

「油断はするなよ」と不満そうにする傑は御札を押し付けるが
一応術式は解除していないため少しの隙間を残してわたしの手に渡ることはなかった

と、思ったけどバチンと力任せに叩きつけられ
意識が弱かったのか術式が安定してなかったのか掌に激痛が走る

『ｸｿｺﾞﾘﾗ…… この人、3000万って言ってたけど？』

夏「あぁ、思い当たる節がある」

クソゴリラ？振り返る傑にはしらんぷり
心做しか次のアンノウンを追うスピードがもっと早くなったきがした

『心当たりってのは！？』

夏「五条家嫡男悟曰く
ウン百年ぶりの六眼と無下限呪術の抱き合わせ
昔から賞金を掛けられていたらしい」

あの陶芸家の様子を鑑みるに悟と同じように理子ちゃんにも賞金が掛けられてるんだろうとのこと

相も変わらず顔色ひとつ変えず急ぐ傑をやっとの事で追いかける

、

、

『うわ、金的だ…』

もう1人のアンノウンこと紙袋を被った呪詛師は
黒井さんの攻撃に思わず膝をついているようだった

黒「お嬢様から何も奪うな 殺すぞ」

夏「なんだ強いじゃないですか」

黒井家は代々星漿体に仕えることになっているだけあって
体術はそれなりに出来るらしい

それなりとはいえ素人の一般人(わたし)とは比べ物にならない程度には動けるみたい
これには少なからず傑も驚いていた

夏「理子ちゃんは？」

黒「五条様と一緒に学校を出ました」

こちらの会話から標的の確信を得た紙袋は溶けるように姿を消した
真似ようとしてもうまくいかず違和感が残る

さっきの式神とは少し違う別の何か

夏「悟、理子ちゃんに3000万の懸賞金が掛けられてる
…ああ呪詛師御用達の闇サイトで期限付き明後日の午前11時までだそうだ」