2話 ページ2
「っ！！きゃあ！！！」
掃除をしてると突然上からものが落ちてくる。
既に新品の制服は汚れていて全身が埃まみれ。女の私じゃ持てない荷物が多過ぎる。せめて翔が居てくれたらなぁ。
「……重い。」
＿A、重いやろ？軽いものだけ持っとき
＿いや、悪いよ！
＿彼女に重たいものなんて持たせられへんから
なんてそんな会話してた時期が懐かしい。何時しかそんな会話なんて無くなってたよなぁ。
優しかったのに、なんであんなに冷たくなったんだろう。恋愛感情を途中から抱いていないことぐらい分かってたしでも、……あんな風にされるのは傷つくよ。
「これで、いいかな。」
翔の事は用事があって帰りましたでいいかな。埃まみれのまま２階へ行き、職員室を探した。
ポケットの中に入れていたスマホで時刻を確認すると既に7時だった。一人暮らしだから帰りは遅くなっても問題は無い。それに年の離れた姉が使ってたここの学校の旧制服もあるから何ともない。何人か旧制服着てる人いるし…明日クリーニング出そう。
「あれ、まだおったんや。」
「え、はい…」
職員室に辿り着くと捏島先輩と翔、それに知らない緑のパーカーを着てフードを深く被った人、赤いマフラーをつけて眼鏡をかけてる人がいた。
「どうして入学式初日にそんな埃まみれになっとるん？」
「あぁ、実は先生に倉庫の片付けを頼まれまして…」
「はい？！あの教師、女子生徒にやらせたんか……！？」
翔がやらなかったことは言わない方がいいよね。面倒なことになりそうだし。
「すまんな、あの教師には俺から言っとく。
2人1組で片付けやるはずやねんけどもう1人はどうしたん？」
「途中で帰りました。用事があるとかで」
「まじかよ……。」
「ゾム、なんか着替えあらへん？」
「シッマに頼めばええやん」
ゾム、っていうのか緑のパーカーの人。捏島先輩とためだから私より先輩なのかな。
「いや、俺の体育着とか着せてもこの身長差やぞ。ブカブカに決まっとるやろ。」
「……じゃあロボロ」
「あぁ、あいつのなら少しぶかぶかで済むやろ。あいつ小さいからな！俺とトントンとゾムで探してくるから2人は待っとってな！！」
「え、いやあの、大丈夫です！私特に気にしないですし……」
「いやさすがにこの汚れで返すんはあかんやろ。ほんまに待っとって！」
そう言って私は翔と一緒に取り残されてしまった。
……To be continued
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作者名：シェリア | 作成日時：2020年8月3日 16時
