家族日記 ~おかあが星になるまで~ (ページ21)

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章大side

Aから泣きながら電話がかかってきたのが

約1時間前。

今はベッドで横になってるAを眺めてる。

実はな…

ーーーーーー20分前ーーーーーー

先「単刀直入に申しますと、Aさんは脳腫瘍でした。」

A「えっ…脳…脳腫瘍？？」

先生は2枚のレントゲン写真を出した

先「こちらが正常な脳のレントゲン写真、もう1枚がAさんの脳のレントゲン写真になります。こことここ、影があるのわかりますか？」

A「…」

先「詳しく調べさせて頂いたところ、2つとも悪性の脳腫瘍だということがわかりました。」

章大「でっ、でも治るんですよね？手術で取り除けたり、薬で小さくするとか、何かしら方法はあるんですよね？？」

俺はAの手を強く握った

先「今のところ、1つは手術で取り除くことは可能だと思います。ですが、もう1つの腫瘍は取り除くにはリスクが高すぎる場所にあるんです。進行を和らげるくらいの治療しか出来ないかと…」

A「それって…私…死ぬってことですか…？」

先「…っ酷ですが、あと……1年半と思っていただいた方がよろしいかと…」

章大「…そんな…」

A「…いやっ、いやっ…！！！！！！！
私死にたくないっ！！！！まだ、まだげんもいるのにっ！私にはやらなきゃいけないことたくさんあるの！！」

章大「A、A！落ち着こ、な？」

A「っはぁ、なんで私っ、はぁっはぁっﾋｯ、なんで私、ﾋｯ、私なの、はぁっはぁっはぁっはぁっ」

章大「A…？」

先生「Aさーん？大丈夫ですよ～、ほそーく息してくださ～い」

A「はぁっはぁっ、ス～、はぁっはぁっ、ハ～、」

先「そうそう、上手ですよ～。ごめん、酸素ボンベ持ってきて」

看「わかりました！」

取り乱したAは過呼吸になってもうた。

俺もショックでどうにも出来ひんくて

全身で苦しそうに息しながら泣くAの背中を

無言でさすってた。

ーーーーーーーーーーーーーーー

呼吸も落ち着いて眠ったA。

痛々しい点滴と涙の跡。

そっと頭を撫でてたら

なんでか俺も涙が出てきて止まらへんくなった。

おかしいな。

辛いのは俺やなくてAやのに。