勝ち目のない戦い ページ22
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四日目の朝。スバラシイ朝焼けで目を覚ましました。いいえ、起こされました。
誰にって?イルミ以外にどなたが?
目を擦りながらまた引きずられて行くと、ついたのは森林の中の更地。
そこに待ち受けていたのは銀髪がなびくシルバさんとふわふわ銀髪のキルアだった。
「AねぇAねぇ!」と近くに寄ってきたキルアはにこにこ元気そうで若いっていいなぁ、と大して老いてもないのに思った。
「それで、何のようでしょうか。」
両手で両肩をおさえながらシルバさんに聞く。朝方と山頂なのもあって中々に肌寒い。
その私を見ながらシルバさんは言った。
「修行だ。キルアも時間があったので一緒にやろうと思ってな。」
「あーなるほど。」
時間があったらとは言ってたけどまさかこんな朝方とは思わなかったな。てかこの時間無理矢理じゃね?
「で、何をするんですか?」
「組手だ。2対2のな。」
「どうやって決めるんですか?」
「もう決まっている。」
んー、誰だろう。シルバさんがいたら百人力だけどキルアがいるしな。それを言ったらイルミも一緒か。どっちと組むんだろ、私。
「Aとキルア対俺とイルミだ。」
「なるほどぉ?」
うーん、耳がちょっと可笑しくなったみたい。キルアと私って聞こえちゃった。全くもう年ねぇ。
「もう一回。」
「Aとキルア対俺とイルミだ。」
「ちょっと待って可笑しい!」
首を傾げるシルバさんとイルミとキルア。その仕草が全く同じでやっぱ親子だなぁと思ったけど今はそれどころじゃない。
「パワーバランスを考えて下さい。」
「これはAとキルアの修行だろ。」
淡々とそう返すシルバさん。そういうことじゃあないんです。
助けて下さい!とイルミを見るとシルバさんと全く同じの『?』を浮かべた顔をしている。うっわ親子。
「おれとじゃいやなの?」
「ううん全然。」
思わず反射で返してしまった。キルアの困った顔は精神的にくるから。可愛すぎて。
「じゃ、始めよっか。」
イルミの一声で空気が少しピリピリする。
こうして私の勝ち目が一切ない戦いが始まった。キルアには悪いと思うけどこれは無理だわ。
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操菜 荘椏(プロフ) - cauliflower131さん» ありがとうございます!まったり更新ですけど、これからもよろしくお願いします! (2019年2月1日 17時) (レス) id: 973a3c6c76 (このIDを非表示/違反報告)
cauliflower131(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2019年2月1日 3時) (レス) id: 0bc51870a5 (このIDを非表示/違反報告)
操菜 荘椏(プロフ) - ありがとうございます!!そう言って頂けるなんて最高です!まったり更新ですがどうぞお付き合いください! (2019年1月19日 22時) (レス) id: 973a3c6c76 (このIDを非表示/違反報告)
孤歌(プロフ) - はじめまして、最近読みはじめました!すっっっっごく面白いです(*≧∀≦*)更新頑張って下さい! (2019年1月19日 22時) (レス) id: 94341bbdb9 (このIDを非表示/違反報告)
操菜 荘椏(プロフ) - ドラゴンちゃんさん» わー!!ありがとうございます!更新頑張ります! (2019年1月7日 12時) (レス) id: 973a3c6c76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:操菜 荘椏 | 作成日時:2018年11月15日 18時