通話友達はまさかの女の子ではありませんでした… 【まふまふ】 (ページ7)

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真冬side

僕には仲の良い通話友達がいる。

その子は引きこもり。

女の子だ。

彼女と一番最初に通話した時、とても距離を感じた。

敬語であまり笑わなくて。

でもだんだん心を開いてくれるようになった。

最初は「真冬さん」だったのが、今では「真冬ちゃん」と呼ばれ、敬語もタメ口になってくれて。

嬉しかった。

何よりも彼女がよく僕の話に笑ってくれるようになったのが、彼女自身のことを少しずつ話してくれるようになったのが。

本当に嬉しかった。仲良くなれたって、嬉しくて仕方なかった。

それに変わっていったのは、彼女だけじゃない。

僕もだ。

彼女と話してると自然と笑顔になってしまう。

彼女と話していることが嬉しくて、楽しくて…つい口角が上がってしまう。

…気持ち悪いなって思われるかもしれないけど。

それでも自然とそうなってしまうんだから仕方ない。

それに日常で何かあったら彼女に話したくなるし、今話したいと思うことが多々ある。

彼女は僕の話をちゃんと聞いてくれるし、反応してくれる。
それが僕を安心させてくれる。

一人じゃないんだって、ちゃんと此処に僕という人物がいるんだって……。

僕という存在を認めてもらったような…そんな気分になる。

少し重いけど、でも僕はどうしてもそう思ってしまう。

日々を送る中で彼女と通話をするのは日課になっている。

…彼女は僕のことをどう思っているのだろうか。

最近よくそんなことを考えてしまう。

ただの通話友達なのだろうか。

まあ、そうだろうな。

彼女は僕のことを女の子だと思ってるんだし。

でもそれじゃ…何故か嫌なんだ。

友達じゃなくて…。

まあ、仕方ないことなんだけど。

もし彼女は僕のことを男だと知った時、この関係のままでいるのだろうか。

彼女は男性が怖いという。

もし、その事を知ってしまえばこの関係も終わるかもしれない。

友達でさえなくなってしまう…

…複雑だ。

彼女とこの関係のままで、“友達”じゃ嫌。

でも、もし自分は男だと言ってしまえば、この関係もなくなるかもしれない。

だけど、まだ彼女としてみたいことは沢山ある。

これからも通話をして、一緒に笑って、お互いに相談しあって、アドバイスしあって…。

…会ってみたい。会って、何処かへ一緒に出かけたい。

まあ会うなんてことしたら男だってバレるかもしれないけど。

…だけど…

真冬「…会ってみよう。」

誘ってみよう。

もしかしたら…何か変わるもしれない。