雪降るドイツの探偵卿 (ページ37)

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答えの導き方ページ37

まず、この違和感はわたしに何かを隠しておくためだと考えられる。じゃあ、何を、なぜ隠すのか。
　花菱さんの方は最初、わたしに躊躇なく話かけた。この時点で何か隠しておきたいことがあるなら、自分から話しかけるなんて馬鹿を花菱さんはしないだろう。でも、ヴォルフさんはこの時点からいつもと違っていた。『わたしを見た後』に花菱さんに何かを言った。つまり、この時点でヴォルフさんはわたしに、あることを隠しておかなくてはいけないと思った。その後の花菱さんの様子にも違和感があったから、ヴォルフさんの言ったことには確信させるに近いほどの説得力があったということ。

　ヴォルフさんがわたしを見て、手に入れられる情報＿＿＿。それは、見た目だろう。
　わたしは基本的に、白いパーカーに同じく白の長いパンツをはいている。わたしが服を選ぶ基準は動きやすさと、肌が見えないかという観点の２つ。それに、色の好みが加わってくる。かわいらしさなどはあまり重要視してない。
　だけど、今日の格好は違う。クイーンさんに選んでもらっただけのことはあり、かわいらしいくセンスもいい。確かに、アクセサリーまでつけるなんて普段のわたしからは考えられないと思う。
　でも、そこまで重要な情報は得られないと思う。そう思うのは、わたしの知らないことがあるからか、見た目以外のことから気付いたのか。それとも、感じた違和感はすべて気のせいだったのか。
　わからないのは、情報がそろっていないから。その情報を知るために、わたしは……。

「……やっぱり、今ある情報だけじゃ、怪盗クイーンがどのように犯行に及ぶか分かりませんね」

　上目づかいでちらりと花菱さんとヴォルフさんを見る。

「もう少し、聞きこみしますか？」

　一緒に行動しながら、情報を探ることにしよう。

「そうだね」

　花菱さんは、そう言いながら頷いた。