夜 . 静かな海で、 ページ13
数時間前の食堂での喧騒は今ではなりを潜め、静かにゆらゆらと波の音だけが耳に伝わる一人では広すぎる甲板で。
キラキラ、ふわふわと輝いて浮かぶ蒼い宝石を生み出しては指で弾く。そんな動作を延々と繰り返しながらジッと揺れる波を見つめる。
最早癖となった海を眺める行為は何時まで経っても飽きる事は無い。最初の頃と今では此処に居る目的はかなり違ってくるが、それでも。何故だか自然と甲板へ足を運んでしまうのだ。
「A？」と。ぼんやりしていた私の後ろから声が掛かり振り返る。そこには食堂での喧騒の渦にいた、暗い夜でもハッキリと目に映るオレンジ色のテンガロンハットがよく似合うエースさんの姿があった。
彼は首を傾げながら此方に近寄ってくる。
「今日俺の隊が不寝番だからさ、見張り台でAが見えてよ。眠れねェのか？」
『…そんな所です。隊に所属出来た事が嬉しくて、何だか眠気が来なくて。』
眠気が来ないのは何時もの事だが、と言う事はなく口から出た何とも子供っぽい言い訳に苦笑を漏らすと、未だその話は不満なのかエースさんはムッと顔を顰めた。
「最初に誘ったのは俺だってのに…イゾウの奴横取りしやがって…。」
『マルコさんもそこに居ましたよね？』
「マルコより俺の方がちょっとだけ早かった！」
クッソー！！と地団駄を踏むエースさんに今度は苦笑とは違う笑みが零れる。
やがて落ち着きを取り戻したのか、それでも不満顔のまま、
「……まァ、Aが決めた事に文句はねェけどよ」
「やっぱさ、好きな奴と少しでも長く一緒に居てェって思うだろ？戦闘の相性とか関係なしに」
いや、やっぱA今すぐ俺の隊に来いよ！と諦めが付かないエースさんはそのままの勢いで私に抱き付いてくる。その拍子にぱきん、と幾つか蒼い宝石が音を立てて割れた。
好きな奴、なんて言われて動揺しない私じゃない。
早まる鼓動と共にまたぱきん、と音が響いた。
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luharigo(プロフ) - あともし宜しければお暇な時に私も占ツクにて、小説を書いてるので、覗きにきてみてくれると嬉しいです！ (2020年6月19日 10時) (
レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)
luharigo(プロフ) - 初めまして！名前がバグって変わってますが哀羅といいます。十七日目で余りにもマルコがかっこよすぎて一人部屋で悶絶しました笑あの、オチはもうあるのですか？私の身勝手な希望ですが、マルコオチだと嬉しいなぁなんて。これからも楽しみにしてます！ (2020年6月19日 10時) (レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)
蒼い鳥さんが復活(プロフ) - 月影さん» 今後もこの二人が火花を散らす場面を幾つか書けたらなァ…と思ってます。本当、嬉しいコメントで感謝感激…頑張りますね！！！(大声) (2019年6月30日 23時) (レス) id: e9c12cde6a (このIDを非表示/違反報告)
月影 - 返答ありがとうございます！コメントした日の翌朝に見てみたらマルコとエースが火花散らしててびっくりしました！ニヤニヤが止まらなかったです。マルコが悪戯っぽくて格好良いです！エース落ちも好きなので嬉しかったです。続きを楽しみにしていますね！ (2019年6月30日 13時) (レス) id: b68ac8b604 (このIDを非表示/違反報告)
蒼い鳥さんが復活(プロフ) - 月影さん» コメントありがとうございます！一応マルコは格好良く書けてますかね…？不安だったのでそんなコメントが届いてもう嬉しさの極み…。更新、頑張ります！ (2019年6月29日 19時) (レス) id: e9c12cde6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼い鳥さんが復活 | 作成日時：2019年6月22日 1時
