【w。r。w。r。d】白旗を破り捨てる。【g。r】 (ページ42)

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後日。またまたトントンに引き摺られ城へと連れてこられたAは不満を口にする。

「...またお呼び出しですか」
「いいだろう。お前も暇だから来たんだろうし」
「ｯ別に暇とかそんなのじゃないです！！」
「まあそう食いつくな」

ダメだ。完全にグルッペンのペースに乗せられている。
諦めたAはそこにあった椅子に座り、ため息をつく。その様子をみてくすりとグルッペンが笑っているのにも気づかず、隣にいたトントンにブツブツと文句を言い始めた。

「...トントンも許可しないでよね」
「ごめんって。これでも俺はグルさんに仕える身なんやから断れへんねん」
「...物騒なことしてるのに？」
「ちょい待ってそれどこから知ってんねん」
「ご主人がトントンに書類やらなかったら粛清されるって言ってたの」
「アイツぜってえ懲らしめてやる...」

頭を抱えたトントンは、悪い笑みを浮かべたシャオロンが脳裏で騒いでいるのを振り払った。
紅茶を飲みながらそれを聞いていたグルッペンはソーサーにカップを置くと、話が落ち着いたのを見て口を開いた。その言葉にトントンが顔を歪めるのは当然で、Aは不思議そうに首を傾げる。

「話があるからちょっとな」
「話...？ここでもいいんじゃないですか」
「いや、いない方が都合がいい。」
「えーなになに、グルちゃんいやらしいことでもすんの？」
「な...っ、」

その場にいた鬱はへらへらと笑いながら冗談を口にした。それを聞いたAはかあっと顔を赤くして下を向く。トントンもAがこういう話はダメだと知っている上でけらけらと笑っているのだから、鬼畜もいいところだ。
元々、鬱はグルッペンの命令を受けて“Aを幹部として引き入れる”ために距離を詰めに行っていたため、敬語を外すほどには仲がいい。

「あれ、Aちゃん顔真っ赤。」
「だっ、大先生がそんなこと言うから...！」
「もしかしてこういう話ダメやった？」
「ダメで悪かったね、！」
「んふふっ...いやあ、純粋やな」
「ちが、うし...」

恥ずかしがってしまう自分を恥ずかしがるAに鬱はへらりと笑う。純粋なAをうっとりとした目で見つめる鬱にグルッペンは小さく腹を立てた。どうして、だなんて疑問は不要だろう。自分が彼女に惚れ込んでしまっている今、彼も同じ道を辿っただけ。辿っただけ、の話だが。

「...クッソ、」

何故こうも、腹立たしいのか。