【w。r。w。r。d】白旗を破り捨てる。【g。r】 (ページ36)

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「...はぁ」
「あら、ため息なんてAちゃんらしくないわね。どうしたの？」
「サレラさん...」

あらあら、と微笑みながら心配するサレラにAは眉を下げた。勢いでグルッペンの付き添いをすると言ってしまったが、戦争が終わってからというもののパーティには参加していないし、まずまずあんな靴なんて履かない。いつもは動きやすい格好でいるため、躓かないかが心配だ。格好に女気がないが特に気にしてはいない。軍人であるときに既に捨てたようなものだ。カランカラン、と音が聞こえ、Aはドアの方を見て声を出す。

「あ、いらっしゃいま...せ」

客人を見た瞬間、Aは体が強ばった。
グルッペンがAを従わせるために利用した人物のうちの一人、シャオロンが立っていたからだ。彼は琥珀色の瞳を細め、へらりと笑っている。Aはため息をついて肩を下ろすと、呆れたように口角を上げた。

「どう？上手くやっとる？」
「まあ。どうしました？｣
「あ、今回は普通に用があってきただけやで」

グルッペンみたいにAと話す目的でここに来たとかいうアホみたいなことしてへんから。
その一言にAはくすりと笑みをもらした。

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