【w。r。w。r。d】こちら、名折れ捜査サーカス団員。 (ページ16)

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開演時間は迫り来る。ページ16

昼休みが終わる5分前。
かえでと弁当を食べていたAは一足早く教室に戻った。かえでも戻ろうと急いで食べているのを見て、ゆっくり食べててと釘を刺したAは教室のドアを開ける。
がらんとしていて、クラスメートはみんな教室外で食べている。一人で窓から外を見ていたチーノがふとAの方を振り返った。

「30秒遅刻。」

「ごめんって。かえでちゃんが一緒に戻ってこようと急いでたから止めてきたの」

「...ま、俺が思ってる以上に面白そうな結果になりそうやから今回は許すわ」

「そう言っていつも許してくれるよね、流石だ私の部下チーノくん！」

「部下じゃねえっての」

バシ、と軽くチーノがAの背中を叩く。Aが笑ったのをきっかけに、チーノにも笑みが零れた。案外こうやって2人で仕事先で依頼から少し外れて話を楽しむのもいいのかもしれない。...が、時間も時間だ。時計を見たチーノがさて、と話を切り出すとAも真剣な顔つきになる。

「どうや、証拠は。」

「もちろん、完璧にできたよ。チーノの方が生徒会はどうにかしてくれるって言ってたけどどう？」

「俺も出来とるで。一緒に計画の確認しよか」

椅子に座るチーノを見て、Aも近くから椅子を持ってきて座った。書き込まれていて初見ではよくわからないような紙を机の上に置き、その上で指を滑らせながら2人は話し合いを進める。あと3分で昼休みが終わり、生徒が帰ってくる。

「...たぶんそのルートで行くのが安全やな。じゃあこっちをこれに変更するか」

「了解。じゃあこっちは順番逆にして、これはそのままでも大丈夫だね」

「いや、でもここはどうする？場合によってはきついんとちゃう？」

「んーん、これはこっちを先に持ってこれば説得力はあると思うよ。生徒会の情報も何個か出してしまえばいいと思う。」

「...じゃ、これで決定やな」

開演時間はすぐそこまで迫った。
客の反応も、時間も、全てはサーカス団(私たち)の手のひらの上だ。