【w。r。w。r。d】こちら、名折れ捜査サーカス団員。 (ページ14)

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魔の一日。ページ14

「なん...でAちゃんがここに、」

「手伝うよ。生徒会役員が掃除をしに早めに登校してくるからそれより早く登校して終わらせなきゃいけないんでしょ？」

「で、でもAちゃんまでこんなこと、」

「ふふん、私はサーカス団員だよ。どんなことでも面白くしてみせるよ」

最後の貴方の魔の時間を、少しでも気分が楽なものにするのが私たちの役目さ。
そう言って笑えば、かえではまだ泣きそうな程に目に涙を溜めた。その様子に限界の近さが伺え、Aは呆れたように優しく笑いながらかえでの涙を拭う。さて、今まで地獄だったこの時間を少し遊び心で満足させてやろうか。
Aは怪しく笑い、花瓶の花に目を向けた。

「...あとは窓枠だけ、かな」

「見てみてー！かえでちゃん！」

「うん？なっ、きゃっ！？む、む、むしっ...！！」

「あははっ、いい反応するね、そうだよ。てんとう虫！」

「な、なんでそんなもの...」

あそこの花瓶の花についてたからさ。驚いた？
そう言ってかえでの目の前に出したてんとう虫のついた手下げながら笑うAに、かえでは胸を撫で下ろしながら笑った。あまりにもあっさりと驚いたと言って笑うかえでにAはぽかんとしたが、てんとう虫を逃がしてまた箒を持つ。

「あと5分だ、頑張ろうね」

「お、あと5分かあ。だね、もう15分も掃除してたんだ」

「...Aちゃんのおかげでちょっと楽しかった、よ。」

かえでの一言にAは顔をあげる。
そして無邪気に笑うのだ。

「今日で地獄は終わりだよ。明日からはかえでちゃんらしく生きていいんだ」

人間には皆平等に幸せが待ってるからね！