【w。r。w。r。d】こちら、名折れ捜査サーカス団員。 (ページ22)

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叱責する音は肩を震わせるページ22

「さて、と」

Aが生徒会役員に目を向けると、数名がビクリと肩を揺らして縮こまった。きっと、異性であるAに怯えているのだろう。
ただ1人、話したことのあるショッピはAと目が合うと嬉しそうに笑った。

「そんなに怯えなくてもいいのに...私もそんなに悪魔じゃないんですけど」

「...どう、せお前も、」

コネシマの一言にAはため息をつく。
彼らは一体馬鹿なのか。校内でトップクラスの実力者という噂は一体なんだったのだろうか。小さなため息にでさえ肩を震わせるこれは重症だとAは頭を抱えた。
後ろから見ていたグルッペンはAの心境を知っているのか、くすりと笑みをもらす。

「...今回は当たりどころが悪かった。たまたまそういう人に当たっちゃっただけの話だし、過去に何かあったんでしょ？それも運が悪かっただけのたまたまだよ」

「っお前に何がわかんねん！そんなのお前が経験してないからであって、」

「そんなこと言ってたら人生損ばっかりだよ」

「うっさいねん！損とか得とか、お前が良くても俺らはちゃうんや！！過去に色々あって裏切られただけでお前程度の悲しみじゃ、」

「やっぱり怖いんでしょ、異性と関わるのが」

「何が悪いんや」

誰も何も悪いとは言ってないんだけどなあ...。
Aは殺意を剥き出しにするゾムを見る。彼の瞳にうっすら涙が浮かんで、体が震えているのか分かっていた。恐怖を抱く異性と、喧嘩じみたことを見ているのだから。

「...あのさ、怖いのは分かるよ。でも関わらなきゃ当たりくじを引けない。それに本当に関わった人が運が悪かっただけで、大半の人はそんな人じゃないんだよ」

「何回もそんな経験あるのに信じられへんって言ってんねん！！！！」

「だーかーらー、もしみんなが裏切られて悲しい思いをした時のために私達が居るんでしょ」

何を怖がってんのか知らないけど、そういうことは私たちに丸投げするべきなんだよ。みんなが悪いなんてことは決してないし、辛かった分だけ報ってその分だけみんなの背中を押すのが私達の仕事。突っ込んでも後ろ盾に私達がいるってだけの話。みんなはつっこんで友達と笑い合うのが仕事でしょうが。

じっと聞いていたゾムの頬を伝って、何か暖かいものが落ちた。

「...ずるいやん、そんなの。」
きっと、助けて欲しかった。