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「さとみくん、久しぶり!
はい、これチケットだけど……
さとみくんもさ、最後の挨拶の時、ステージにきてくれないかな?」
あれから4日後、つまりライブ1週間前、俺たちはまた集まっていた。
久しぶりにみんなと話せてすごく楽しい。
でも一つ気になるのがさっきのなーくんの言葉。
リスナーさんにはまだ悲しい思いさせたくないし……
なーくんは前に約束したの覚えてないのかな?
そう思ってなーくんだけに聞こえるように問いかける。
「えーと、俺、前に死んだらなーくん莉犬から言って欲しいって
お願いしたと思うんだけど……」
「あ、忘れてると思ってた?
もちろんその約束は覚えてるんだけどさ……
やっぱりリスナーさんはまだ知らなくても
最後にはあっておいた方がさとみくんも
スッキリするんじゃなかって。」
確かにそうだ。俺は考え方を変えて、再検討してみる。
うん、なーくんの言う通りにした方がいいかも。
「分かった、俺も出る。
車椅子だからリスナーさんに心配かけるかもしれないけど。」
なーくんに「よく決断したね」と言われる。
俺だって、本当はステージ立ちたかったのに。
まだやりたいこといっぱいあったのに。
また少し、弱気になってしまった。
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作者名:あおい x他1人 | 作成日時:2021年8月31日 14時