てきとう短編置場(ym×in)

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次に会えるまでけっこう空くから、
それならメッセージを送ろうと思って、トーク画面を開いたけど、
意味のあることを打とうとすると、文がぜんぜん浮かんでこない。
事務的でいっかと試しに打ってみたら、なんかすごくかんじ悪い。

これまでにあるやりとりも、ほとんどが単語だし。

遡ると、山田が寝てる間に帰ったあの日に送ったやつが出てきた。


『昨日はいろいろありがとう
声かけたけど起きないからこのまま帰るね
山田のチャーハンほんとうまかったよ
ごちそうさま』


ほかより少し長めのそれは、今見ると嬉しさが溢れ出てる。
あのときも、なるべく事務的に、
余計なことは入れずに、でも硬くなりすぎないようにとか、
さんざん推敲したっけな。

思い出したらちょっと微笑ましさすらある。

でもなんかちょっともうめんどくさくなって、
スマホを置いて、ひとつ伸びをした。




次の全員仕事のとき。

もうとっとと話してしまおうと思ってたけど、
一見いつもと変わらない山田はでも、

なんか暗い？

単に機嫌が悪いのか、落ち込んでるのかわからないけど、
たまにあるけど、おれはこういうとき話しかけられない。

いや、こんなときも何も、
今までだって積極的に話しかけたりしてなかったなって、
ほんとに最近は前と違ったんだなって再認識だ。

もちろんそれはほかのメンバーも気づいてて。
近くにいた大ちゃんが、

「おれちょっと行ってくるわ」

そう言って、ちょっと安心した。

ちょうどそのタイミングで知念がなにか話しかけてて、
裕翔もそれに続く。
そこに大ちゃんも参加して、なにか静かに話し込んでる。

おれは関心のないふりでスマホを見ながら耳をそばだてる。

漏れ聞こえた声をまとめると、
なにかとても欲しいものが手に入らないとか、
そんなことが原因らしい。

3人に励まされてる山田は、ちょっと元気を取り戻したようにも見えた。

あいつのことだから仕事に支障が出ることはないだろうけど。


自分でその立場を選んだのに、
こんなとき力になれないのはなんか悔しいな。


いや、そもそもおれが力になれることなんかほぼねえか。

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