莫迦が12人 ページ12
足音が聞こえる。足音はこちらに向かってくる。これの足音が太宰と中也のものなのか、蘭堂さんのものなのかわからない。もし、蘭堂さんのものなら私は確実に殺される。でも私は逃げなかった。太宰と中也なら、お疲れ様。って言ってあげたいから。もし蘭堂さんだったとしても、太宰と中也がいないなんて楽しくないと思うから。私は近づいてくる足音から目を背けるようにして、目を手で覆った。
足音は私の目の前で止まった。
?「A。」
『!!太宰!中也!!』
太宰「なんでここにいるの?」
『二人が心配だったから。』
中也「は?なんで中にはいれたんだよ。」
『異能で切った。それよりお疲れ様。大丈夫?』
太宰「大丈夫に見える?」
『まったく大丈夫には見えない。ギブス…怪我なんてしてなかったんだね。』
太宰「うん。」
『太宰。中也。お疲れ様。ありがとう。』
私はとびっきりの笑顔を見せた。
太宰「!…」
中也「それは反則だろ…(ボソッ)」
『なにか言った?』
太宰「なんでもない。さ、帰ろう。」
中也「あ、あぁそうだな。」
『そうだね。帰ろうか。』
私達は、太宰を支えつつ、マフィアの方に歩いていった。
中也「…死んでまで迷惑な旦那だ。あんたが集めていたものすべてマフィアに奪われた。」
崖の上にある、小さめな墓地。そこの墓石の上に座っているのは中原中也だ。
中也「…まぁ、生きていても誰にも話すつもりはなかったんだろうけどな。」
一人つぶやく中也。
中也は墓石から降りて、階段を下っていく。
?「中也!ここにいたのか!探したぞ!」
中也のもとに歩み寄ってくる少年は…
中也「白瀬…」
羊のメンバーだった。少し前にAに遊ばれていた少年だ。
白瀬「俺たちあれから考えたんだ。そして一つの考えに至ったよ。」
中也「そうか。お前等が決めたのなら俺は反対しn、っ!」
喋りながら近づいてきた白瀬は、中也が話している途中に急に腹をナイフで刺した。
殺藻剤が塗られているナイフで。
白瀬「俺達は、GSSと組むことにしたんだ。気分で意見を変えることもないし、利益がある限りは信用
できる!お前がマフィアに入ったら…俺たち羊は皆殺しにされちまう!!」
中也「俺が組織を裏切るわけが…っ…」
中也は痛みに顔をしかめる。
白瀬「お前が‥強いから…お前が強くさえなければ‥こんなことにはならなかったのにな!」
中也「…やっぱり…莫迦は俺か…」
?「そうだね。中也は莫迦だよ。」
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作者名:双葉 | 作成日時:2022年7月3日 12時