アナタに一輪の華を

真上にある太陽は [ DAY.11 ] ページ28

Aside

私は今、病院の屋上でこれからの事を考えていた。


私が病気になったせいで、涼太の仕事に迷惑がかかっていないのか、

赤ちゃんが望めない身体になってしまったこと。






未来があるか分からない私とこのままの関係で、

幸せであるか。

絶対に、お仕事に迷惑はかかっているし、涼太の子供は欲しいだろうし、幸せではない。

私の真上にある太陽は、

私の負の気持ちとは裏腹に、

明るく、眩しく輝いていた。


そこのプランターに目をやると、

” アキレア ”が咲いていて、

その花言葉を思い出し、

心の中で微笑んだ。

ナース)Aさん、こんな所にいたの！探したよ〜


A)あぁ、桜さん

桜さん、というのは私の担当の看護師さんで、

同い年というのもあって、とても仲良くなった

” 桜 ”の花言葉そのままの容姿で

笑顔がなんとも愛らしい女性だ。

A)久しぶりに、空の下に出たくて、、、


桜)Aさん、何か悩んでる？


A)ちょっとね、、、


桜)Aさんの旦那さん、とても良い方だよね、

” 毎日お見舞いに来てくれてさ ”

彼女の発したその言葉が、私の心を抉った。

それは、私の心が弱いから。

桜)A、さん？私、言ったらダメなこと言っちゃった？


A)え、あ、ううん、主人は特殊な業種だし、迷惑、じゃないかなって、、、


桜)迷惑だ、なんて言っちゃダメ。Aさんの事を思って来てくれてるんでしょう、いっつも病室を出た時、すっごい寂しそうな顔してるんだから。


A)そうだったんだ。

尚更私と別れた方が、なんて思ってしまう私は

どうしようもないバカなんだろう。

桜)あ、今変なこと考えたでしょ


A)え、？


桜)今考えてること、絶対に言っちゃダメよ。自分から、自分と旦那さんの幸せを奪ったら、ダメだから、絶対に。

そう言った桜さんの表情は、何かを隠しているように見えた。

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