川村兄妹〜RMPG 紅一点のお話〜

痛ｲ ページ33

翌日から始まった、太田さんからの陰湿ないじめ。

わざと衣装に合わないヘアセットをしたり、

チークを濃くしてみたり、リップティントをはみ出させたり

A)アチッ

ときにはコテを首に当てたり

咲)あ、ごめんなさぁい、わざとじゃないですぅ〜

っざけんなよ

壱馬)一応、男まみれの所にいるけどこいつも女だから、傷跡残すようなことしないようにしてもらっていい？気を付けるだけでいいから


咲)そ、そうですよねぇ〜


壱馬)A、ちょっと来れる？


A)あ、メイクあとどれくらいですか？


咲)あとはリップだけですかねぇ〜


壱馬)あ、リップなら俺できるんで、Aのリップ預かっていいですか？


咲)はいぃ〜♡どうぞっ♡♡


壱馬)ありがと

お兄ちゃん、氷みたい

壱馬)A、手貸して

お兄ちゃんに手を取られて、貝殻繋ぎをされる

当たり前にドキンと音を立てる私の心臓

壱馬)LIKIYAさん、陣さん、ちょっといいっすか


LIKIYA)いいよ〜


陣)どうした？


壱馬)大っきい声では言えないんですけど、太田さんってどこの美容学校出身か分かりますか？


LIKIYA)どうして？


壱馬)なんか、俺らのは全然なんですけどAのメイクが雑っていうか、危険なんで、専門的な知識しっかりあんのかなって思って、ここ見てもらっていいですか？

私の首元を指して、2人に見せている

陣)これって、キスm


壱馬)コテっす、首に当たったみたいで、1度ならまだしも、2·3回あるんで、傷跡残したくないんです


LIKIYA)スタッフさんに後で聞いとくよ、注意観察ってとこかな、さすがに危ないしね


陣)しっかり見とくわな、A首冷やしときや

近くに運良くあった、保冷剤をバンダナで巻いて渡された

A)冷たっ


壱馬)A〜お兄ちゃんの隣来て


Aは〜い

お兄ちゃんの隣に座れば

大きな両手でお兄ちゃんの方を向かせられる

壱馬)リップ塗るで


A)ん、お願いしま〜す

グッと近くなったお兄ちゃんの顔

壱馬)茹でダコ


A)へ？


壱馬)顔真っ赤やで？お兄ちゃんにドキドキしてんの？

その時気付いた太田さんの目線

やはり睨まれている

A)うっさいわ、お兄がかっこいいのが悪いんやから！


壱馬)ふ〜ん、はい塗れた。太田さんありがとう


咲)いえいえぇ〜♡妹さんに優しいんですねぇ〜


壱馬)そうっすね、太田さんみたいにしっかりしてないんで


咲)私も全然ですよぉ〜♡

その日の仕事も着々と進むも、

お兄ちゃんはずっと上の空だった

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