僕だけを-Lee know- (ページ6)

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6-Lee know- ページ6

Aヌナ지금부터 간다 (今から行くね

リノ기다리고 있다 (待ってる

会社の地下駐車場でリノはAを待っていた
もうすぐ来ると分かれば、車内のバックミラーで
前髪が乱れてないか確認する

しばらくするとAが手を振りながら車の前に来た
さっきのアイドル感とは違うオフな感じが良い

まあそれは自分も同じか

「リノや〜よろしく」

Le「はいどうぞ〜」

二人きりの密室というのは緊張するものだった
それを悟られたくないので、リノは普段通りを装っている

Le「一人暮らし慣れた？」

「うん！私独りが好きなのかも」

Le「自由で良いじゃん」

「いつの間にか免許なんて取って大人になって〜」

自分の顔を見ながら耳に髪をかけるAの仕草に
鼓動が高鳴るのを感じた

ヌナ、他にどんな男と接点あるの？
デビューしてから今日まで、誰かと付き合った事ある？

聞きたくても聞けない質問が頭をよぎって鬱陶しい

Le「前から大人だよ〜ヌナは俺を弟だと思ってる？」

さりげなく自分をどう見てくれているのか聞いてみる
我ながら上手い聞き出し方だ

「弟だとは思った事無いかな？リノは頼れるし
　練習生の時も、ずっと頼りにしてたよ！」

Le「あー…そう。」

なんかその言葉だけで嬉しくて、変な顔をしていそうで
運転席側の窓の外を意味も無く見つめる
いつもの変わらない暗い帰宅途中の風景が
キラキラと綺麗に見えた気がした

「ん？リノや、照れてるの？」

Le「別に？」

何事も無かったかのようにAの方に顔を向けると
目が合って3秒くらい、お互いの動きが止まる

静かになった車内に騒がしい外の音が聞こえてくる

Aは恥ずかしそうに視線を右下に逸らして
車の前を見つめ直した

明らかに今までとは違う、いつにもない顔で。

ヌナ、今何を思っているの？

「リノ…」

Le「ん？」

「またこうして会えるかな」

そう言って自分を見るAの瞳は
少し切なそうで初めて見る表情だった

Le「うん。会おうよ」

「あははっ…やった〜」

照れたように笑う仕草が可愛いくて
自分も自然と笑顔になる

ヌナが僕に向けた初めて見る表情
その目を見て、なんとなく分かった気がした

そうやってずっと、僕だけを見ていて。