28-Lee know- ページ28
Le「ヌナ………」
ネットの情報を見てAの家に向かったリノは
今までにないくらい落ち込んでいる姿を見て胸が痛んだ
優しく握ったAの手は冷たくて、顔色も悪い
「怖い……」
弱々しく呟くヌナを抱き寄せて大丈夫と背中を優しく
さすると、いきなり立ち上がって抱き寄せた腕が
剥がされる。焦った様子で立ち上がったAは
大きな窓のカーテンを勢いよく閉めていた
Le「どうしたの?」
「誰かに撮られるかもしれないから…」
Le「ここは高い場所なんだから大丈夫だよ。おいで」
落ち着かせるために呼び寄せるとヌナは静かに隣に座って
僕の顔を見つめていた。その目がいつもと違うようで
不安になる。だけどそんな事を思っている場合じゃ
なかった。自分は少しでもヌナを安心させて
あげる事しか出来ないから
「リノ…しばらく会うのやめとこう。もし付き合ってる
のも出回ったらどうなるか分からないし、メンバーにも…
リノにも影響が出るから」
そう言ったヌナは悲しく寂しそうだった
何で?ヌナは何一つ悪い事なんてしてないのに
正しいその判断に拒否なんて出来ない
僕達のいる世界は余りにも生きづらく厳しくて
メンバーなんて気にしないで一緒にいようだなんて
自分勝手な事が言えるほど僕達は周りを捨てたりは出来ない
Le「そうだね…連絡はしてね。会いたくなったら
いつでも行くから。」
「ごめんね。ありがとう」
肩に寄りかかるヌナの頭を撫でながら
今感じる愛おしい体温を静かに噛み締めていた
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作者名:雨 | 作成日時:2024年1月16日 23時