僕だけを-Lee know-

13-Lee know- ページ13

「見てリノ！凄い！」


夜景を目にしたヌナは、キラキラした目で
嬉しそうに声をかけてくる



あの日から心配していたけど平気そうで良かった
前より和らいだ顔にまた心を奪われる



凍えるくらい寒いテラスに出てはしゃいでいるその姿が
愛おしく、同時にこういう場所は初めて
来た様子で安堵していた



「リノや何食べたい？私が作るよ？」


Le「いいよヌナ、部屋で頼もう」


「リノよく作る側だから手作り食べたいんじゃない？」



まぁヌナの料理食べてみたいけど



Le「そうだね、じゃあ今度よろしく」


「もちろん！」



そう言って微笑む顔が眩しい
明るくて優しい所、昔から変わってない
そういう所に前から惹かれていたんだ


注文した夕食が届き華やかになったテーブルで
乾杯をしていつも通りの話を始めた



「仕事お疲れ様。リノやいつも頑張ってて偉いね〜」


Le「何それㅋㅋいきなり子供扱いㅋㅋ」


「本当に思ってるよ〜次男だしダンスもボーカルも
　担当してて大変だよね」



照れ隠しでふざけた態度を取ってしまうけど
その言葉は温かくて嬉しかった


短くとも辛い練習生時代を二人で過ごして来たからか
ヌナの前ではいつもより素直になれる気がする



こうしてる時間は幸せだし楽しい



僕達は自由ではいられないし、プロとして自分を
好いてくれる人を裏切ってはいけない
自分が選んだ人生だし夢を叶えて此処にいる



だけどやっぱり……ヌナを誰にも渡したく無いよ

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