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「めっちゃ楽しかったげ!!」
「そうだねー、楽しかった!」
口ではこう言っているが、本当は結構怖かった。
でもてつやが手を握ってくれていたから、少しは楽しかったかもしれない。
「よし!じゃあ次あれ乗らん?」
てつやが指を差したのはさっき乗ったのとは違うジェットコースター。
それもさっきよりも高くて速度が速い…。
……これは流石に無理かもしれない。
あまり並んでいないし、ここはてつや一人で行ってもらおう。
「……てつや、わ、私はいいや。休んでるから乗ってきなよ」
「なんでぇ!俺はAと乗りたいのにー。……あ、もしかして怖いん?」
流石幼なじみ。
一瞬で私の心を読まれた。
「あ、いや、そういうわけじゃ……」
だんだんと声が小さくなっていくのがわかる。
「ふふーん、やっぱり怖いんだら!」
核心をついたてつやはドヤ顔でそう言った。
少し悔しいけど、ここは素直に言ったほうがいいかもしれない。
「……そうだよ!私にも怖いものくらいあるげぇ!」
そう言うとてつやは、一瞬驚いた顔をして、そのあとに悲しそうな顔をした。
「そっかぁ…。Aと乗りたかったんだけどなぁ。でも乗りたいし……」
てつや的には小声で言っていたのだろうけど、私には丸聞こえだった。
「行ってきていいよ、私ここで待ってるから!」
「……え!聞こえてたの!?はっず……」
やはり小声だったらしい。
「聞こえるよー、ほら、行ってきな」
笑混じりにそう言うと、てつやは少し悩んでから、「じゃあ行ってくる!」と言って走っていった。
私はてつやが並んだのを確認して、近くのベンチに腰をおろした。
……が、それが間違いだった。
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らんご(プロフ) - りぃとさん» ありがとうございます!がんばります!! (2019年10月24日 20時) (レス) id: d9eb04b864 (このIDを非表示/違反報告)
りぃと - 受験勉強、受験。頑張ってください!! (¶'∀'¶) (2019年10月22日 14時) (レス) id: 97dbed4d9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らんご | 作成日時:2019年9月12日 18時