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「あ、としみつ。おはよ。」
「はよ。」
「どうよ、新しいマネージャーは。いい感じ?」
私はとしみつと同じクラスだ。また野球部のマネージャーもしているのでそこそこの仲だった。
でも、先生からの意見で、私が2つの部活のマネージャーを兼務するのは大変だからと、野球部のマネージャーは同じ1年の子が担当することになったのだ。
「うーん、いいけどね。親切だし。でもやっぱりAがいいげえ。」
「そっか(笑)まあすぐ戻るから待ってて(笑)」
「おう。」
そこで会話が途切れたので、陸上部の人の名前を覚えようと思い先生がくれた資料を出した。
すると教室の扉が勢いよく開き、
「岩崎Aはおるかぁーー!」
と、なんだか聞き覚えのある大きな声が聞こえた。
まさか、と思い顔を上げると、やはりてつやだった。
…こういうところも嫌いだ。
周りを考えないところ。昔からそうだ。嫌になってくる。
クラスの男子はラブラブだのなんだのと騒いでいるが、てつやもなかなかモテているようで女子からはこそこそと嫌味を言っているのが分かる。
私もてつやを無視する訳にはいかないのでてつやを引っ張り人目のつかないところに行った。
「はあ。朝から何?というか声がでかいから。周りのこととか考えてよ。で、用件は?」
少し怒り気味で言うと、てつやはしゅんとする。
罪悪感が芽生えてきて、いつのまにか"ごめん、怒ってないよ"と子供をあやすように言っていた。
するとてつやは子犬のように顔を明るくした。
可愛い。かもしれない。
なんてことを考えているとてつやが口を開いた。
「あのさ、彼女のことで相談があって。。。」
そうだ。てつやは私に用があってきたのだ。
しかも内容はガールフレンドのこと。
また胸がきゅっとなった。
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作者名:らんご | 作成日時:2019年4月26日 21時