大っ嫌い。でも、 (ページ27)

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私は教室に戻っていった。

｢A！大丈夫だったか、？何もされんかった、？」

｢うん、へーき！友達だもん！」

｢……え、？ん？と、友達……？」

｢うん！友達」

｢でも、お前……泣いてる」

｢え、？」

私は手で頬を撫でてみる。

｢あれ、濡れてる……。」

いつの間に……。

その時、ふわっ、とどこかで嗅いだことのある匂いに包まれた。

クラスがしんと静まり返ったかと思うと、ヒューと聞き覚えのある声がそこらじゅうから聞こえる。

｢っ、A。今じゃないかもしれないけど、俺、お前のことが、Aのことが好きだげ。良かったら……まあ、答えは知ってるけど、俺と付き合ってほしい。」

ああ、今じゃなさすぎる。

私もとしみつの気持ちには薄々気付いていたけど、見ないふりをしていた。

でも、すっごく嬉しい。

だけど……

｢……ご、ごめん、なさい…。」

｢っあっはは！だよな……。ありがとな。」

としみつは私の頭をぽんぽんと撫で、教卓の上に登った。

｢みんなー！今半年くらい片思いしてた人に振られましたー！俺を励ませー！！」

クラスにどーっと笑いが起こる。

としみつって人見知りだしクールなところもあるけどやっぱり面白い。

これからもずっと、友達でいたいな。

キーンコーンカーンコーン

｢おーい、授業始めるぞー。……って鈴木！お前何してんだ！」

｢……すいませんっした！！！！」

｢お前らも席につけっ！」

こうしてすごく濃かった私の朝は終わった。

朝は。