大っ嫌い。でも、 (ページ13)

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芳永さんはふっ、と笑っててつやのほうへ戻っていった。

私はどうすればいいのかな。もうてつやと話しちゃダメってことだよね。

どうしよう…。

なんてトイレの前で立ち尽くしていると、A、と、誰かが優しく私を呼んだ。

振り向くとそこには悲しそうにこちらを見ているとしみつがいた。

｢…としみつ。ど、どうしたの？、」

出来るだけ明るい声で問いかけると、ふわっ、ととしみつの匂いが鼻をかすめて暖かいものに包まれた。

｢A、無理すんな。芳永にあんなこと言われてんな明るい声出せるわけないやん。いつもお前は無理しすぎるんだから、、、」

｢‥‥」

驚いて何も言えないでいると、としみつは私から離れていって、

｢せめて、俺の前では素のままでいてほしい。」

｢俺がAのこと守る。」

そう言った。

｢…うん」

聞かれてたのかな、なんて思いながらとしみつとてつや達のほうへ向かっていった。

てつやが見えるところまで来ると、としみつはてつやに、

｢てつや～戻った～」

そう告げた。

すると私がいることに気がついた芳永さんが私をぎろっと睨んだ。

怖くなり一瞬身体がブルッと震えたが、としみつがそれに気付いて芳永さんのほうを見た。

｢……チッ、」

芳永さんは小さく舌打ちをしててつやのところへ行った。

｢てっちゃんっ！一緒にクレープ食べよっ？」

てつやの腕に巻き付いて上目遣いで言う芳永さんのことをみて怖さがいっそう増した。