白い花々 【暗殺教室】 2

蝶々 ページ7

「この6面体の色を変えたい」



時は昨日に遡る



「素早く、沢山
しかも、誰にでもできるやり方で」



1人の中年男性がルービックキューブを
手に目の前の男女に問いかける


古びた校舎だった
色が落ちた木材独特の香りが鼻をくすぐる



「貴方方ならどうしますか？
先生方…」



目の前に立つ男女は教師の職に就く
人間だった


1人は露出の多い服装に顔の整った外国人
もう1人はポーカーフェイスの男



「答えは簡単」



手にしていたルービックキューブを
粉々に壊すと同時に、怪物がドアを開けた



「分解して並べ直す
合理的です」



散らばっていくルービックキューブの
ピースがバラバラと床に落ちていく


散乱したピースが
自分の足元に転がってくるのを確認した



「初めまして、殺せんせー」



自分の受け持つ女生徒がつけたあだ名が呼ばれる
何故彼がそれを知っているのかわからない
まず私は、彼が何者なのかわからない



「この学校の理事長様ですってよ」

「俺達の教師としての雇い主だ」



彼について軽く紹介された
浅野學峯 私立椚ヶ丘学園理事長



「にゅや！これはこれは山の上まで！」

「それはそうと私の給料
もうちょいプラスになりませんかねぇ」



何者であるかを認識した瞬間
お茶を差し出す
媚を打っておかなければいけないと判断した
それを自分の生徒 潮田渚に
目撃されているとは知らずに



「こちらこそすみません
いずれご挨拶に行こうと思っていたのですが」



それらは軽くあしらわれてしまう



「あなたの説明は防衛省やこの
烏間さんから聞いていますよ
まぁ私には…全てを理解できるほどの学は
無いのですが」


「なんとも悲しいおかたですね
世界を救う救世主となるつもりが
世界を滅ぼす巨悪と成り果ててしまうとは」



真正面から向けられる皮肉を
私は受け止めることしか出来ない



「…」



そんな中で
女生徒がふと脳内をよぎった

真っ白な髪の可愛らしい少女



「…そういえば…先ほどの集会で
登壇した生徒は…」


「嗚呼、朝比奈君の事ですか」



窓の淵に腰を下ろすと
口を開け楽しそうに笑う



「彼女は私の息子の許嫁でしてね
彼女のご両親とは長い付き合いで
大変優秀な成績ですから
紹介もかねてご挨拶をと」



とても乾いていた笑みから
本心の笑みが少しだけ、
溢れ出た気がした

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