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蝶々 ページ6

気がつけば自分はそこにいた



頬をかすめる風は土の香りがして
なんとも言えない


周りを見れば同じ歳の人間が楽しそうに
手ぶらで歩いている


敷かれたレールを走る男
敷かれたレールで立ち止まり
何かを考えてている女



そんな中で、
私のレールだけが錆び付いていた



そして酷く、重い思い荷物を

私だけが背負っていた


黒いような、白いような、
赤いような、青いような




とてつもなく巨大な人生の荷物




当たり前のもの
当たり前の人生


普通の人が持っているもの


いない家族
傷だらけの鉛


私が持っているもの




あんな風に、私も笑いたかった
何にも縛られず、こんな痛みも知らずに
当たり前のものを当たり前だと言って

嗤いたかった




レールはその人間の人生を示す
私の人生は錆びている
歳をとるごとにに錆びが増していく


肩で息をしながら
裸足で敷かれたレールの
小石を踏みつける



「どこにいくの?」



隣のレールを歩く男は
問いかけた



「私の、荷物が下ろせる場所にいく」



人間が進むレールの、
反対方向を目指した


真逆の道を歩く私は好奇の目線に晒された


巨大な荷物を引きずる度に
袋が破けてドロドロとした中身が溢れ出す


小石がそれを傷つける
足の裏から滲む血が足跡を作る


溢れ出たそれを見て涙が零れた


必死に拾って、掻き集めて
何度袋に戻しても、治らない


破けた袋から血が滲む
足の裏の傷口が滲む

私が、滲む








溢れ出たそれは、記憶だ

幸せだったあの頃の記憶





家族の追憶

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設定タグ:暗殺教室 , 復讐 , 浅野学秀   
作品ジャンル:アニメ
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- この小説を読んでボカロの誰かの心臓になれたならがすごく合うと、思います (2018年9月4日 10時) (レス) id: 22105498fb (このIDを非表示/違反報告)
風花 - 久しぶりに見てみたら、続編があってびっくりしました!全部読みました!更新、ずっと待ってます!たまに見に来ます! (2017年3月11日 20時) (レス) id: 28c2de270e (このIDを非表示/違反報告)
フェアリテイル - 続編おめでとうございます!はなさんの作品は今まで全て読ませていただいてます!どこか儚げで、だけどどこか毒をもっている…そんな感じが何時までも心の中に住み着いて離れないんです!更新いつまでも待ってます! (2017年2月2日 1時) (レス) id: bc4dac31df (このIDを非表示/違反報告)
いちごみるく(プロフ) - 続編おめでとうございます!はなさんの作品はずっと前から全て読ませて頂いていますが、今回の作品もとても素敵です(*´ ˘ `*)これからも応援しています! (2017年1月23日 23時) (レス) id: 10cd0d5f13 (このIDを非表示/違反報告)
まり - 続編おめでとうございます!今回のも応援してます! (2017年1月19日 17時) (レス) id: 52288c9db5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はな | 作成日時:2017年1月17日 1時

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