白い花々 【暗殺教室】 2

蝶々 ページ38

＿＿＿＿＿


シロはそれを聞くと
「残念だ…
君の目的を知りたかったけど
人質を取っても無駄なようだなぁ」
としゅんとした様子を見せる




「ダメ元で聞くけど
私と手を組まないか？」




すぐにケロっとした声に戻り
交渉を持ちかけられる




「それ私にメリットないじゃない
私はあの子に情報を貰ってるし
タコを殺すつもりもないし」



交渉を跳ね除けると
また困ったように唸る




シロ「そうか…うーん…
まぁいいか、君を使って
戦力を上げたかったんだけど

じゃあ、たまに暗殺の意見を聞きに来る
くらいなら構わないかい？」




別にいいけど、とため息を吐きながら
座り込んだ




シロ「じゃあそういう事で

帰るよーイトナ」



…




「は？え？それだけ？」




その話をするためだけに
暴行して拉致監 禁したっていうの？

それだけのために下着姿の
女子中学生を誘拐したの？





呆れた…





こんな質問責めされるだけなら、
痛めつけたり移動したりしなくても
出来るのに…



触手で外された手錠を放り投げて
少し赤くなった手首を擦る



近くにあった
誇りをかぶった白く
大きなシーツを羽織る




シロ「嗚呼、そうそう

近々ロヴロがＥ組に
イリーナ・イェラビッチを回収しに
来るらしいから

どうせロヴロも知らないんだろう？
君が此処にいること…

一応気をつけてね」




イトナが彼の隣へ飛んで移動した
と同時にシロから忠告を受けた

その情報は本物だろうから
素直に受け取る事にする





「ご忠告どうも」





少し棘を含んだ声で
礼を言った


無理矢理連れ出したくせに
家には返す時は独りにさせるのね





「…疲れた…」




＿＿＿＿




そっと自室の窓から侵入して
すぐに風呂に入った

体を拭いてネグリジェを着て
隣の部屋へ足を運ぶ



そっとドアを開けると
橙色の暖かな灯りをつけて
テーブルに向かう背中が見えた




学「眠ったかと思った」




椅子の背もたれに肘を乗せて
振り返る彼は眼鏡をかけて
肩にはタオルを掛けていた




＿＿＿きゅん。





…


ドアを音を立てないように
優しく占めて彼に駆け寄る


座った学秀の身長は私より少し低い
そのまま抱きしめて、髪の毛に
顔をうずめた





学「…？」





嗚呼、





何事もなくてよかった＿＿＿






彼の身に何も起こっていないと
確信していたけれど、それでも、









怖かった＿＿

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