白い花々 【暗殺教室】 2

蝶々 ページ37

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿




シロ「…じゃあ何故椚ヶ丘学園に
居たんだい？

君を資料で見た時の写真と
容姿が全然違ったから驚いたよ」




気が付くと
所々破けて古くなった
大きなソファーにはイトナと呼ばれる
少年が触手をうねらせながら
こちらを黙って見つめていた


それを一度視界に入れてから
シロへと視線を移す




「＿＿それ、貴方に答える必要ある？」




…

絶対に


私の憎悪を他人に軽々しく
話したりなんかしない＿＿＿＿



10年積み上げたんだ


誰1人として私の正体を
知られてなるものか





シロ「うーん…
じゃあ、質問が変わるけど
茅野カエデ…は知ってる？」



顎に手を当てて問う



「…雪村あかりでしょ？
知ってる。あの子今脅して
Ｅ組の情報抜き出してるもの」



驚くことに、彼は茅野カエデの
正体を知っていた


私が答える前に口を少し塞がれたから
多分、イトナは知らないんだろう


小声でそっと質問に答えた



シロ「…へぇ…
そこまでしてＥ組の情報を集めて
どうするんだい？

殺せんせーには興味ないんだろう？
一体君は何をしに来たんだ…？」




「…さぁ？」




シロの服から覗く、光る眼光
それに私が怯えるとでも？


ロヴロ先生に銃口を向けられた時の
方が何千倍も恐かった




シロ「…近頃君は浅野学秀君を
そばに置いているそうじゃないか」




手のひらに片方の手で拳を作って
何かを思い出したようにぽんっと叩く





「…」





シロ「…その浅野君を…

そうだな…イトナにでも誘拐させて

爪を剥がせば君は口を割るかな？」






…


全身の血が、沸騰する＿＿＿

嗚呼、だけど冷静に





「どうぞお好きに
殺したければ殺せばいい」





足の裏からコンクリートの
冷たさを感じた




シロ「あれ？君にとって浅野君は

その程度の人物だったの？」




これは驚いた、と拍子抜けするシロを
見てため息をついた




シロ「…君にとって浅野君って

なんなんだい？」







その質問に、私の表情が凍った







「あの人は、私の＿＿＿＿＿」






あれ？




＿＿＿あの人は、私にとって何？







シロ「…想い人とでも申されるか？」





クスクスと小馬鹿にしたような笑いを
零し、「あぁでもそうだとしたら
さっきの質問の答えにならないか」
と笑みを崩した





違う

想い人…好きなひととか
もうそんな気持ちをとっくに超えている





「彼は私の駒よ」






残酷な言葉を吐露した

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