白い花々 【暗殺教室】 2

蝶々 ページ31

Aside



私の血の繋がらない
父親はトイメーカーの社長で
母親は政治家



私を引き取ったのも次の父親の仕事の
跡継ぎが欲しかったかららしい



何故女の私なのかはわからないけど



母親の政治世界にも
父親のトイメーカーの世界にも
やはり敵は沢山いるようで



私も巻き込まれる事が多々ある



例えばそれは、ライバルからの
暴言や悪口



それくらいなら可愛いものだけれど



関係ない未成年の私から
親や会社の情報や弱みを聞き出そうと
近寄る輩も少なくはない



…



私の親が主催した社交パーティー



一見ホームパーティのように見えるが
社交パーティーという名の情報交換だ



社長令嬢という欲しくもない称号を
手にした私はやはり参加しなくては
ならないらしい



髪の毛を軽く巻いて
タイトな赤いドレスを身にまとい
愛想を振りまく



…



こういう場はやっぱり苦手だ
堅苦しいし、話す相手に応じて
言語を使い分けなければいけない





嗚呼、面倒くさい





安っぽい口説き文句を柔らかく断って
バルコニーへと足を運んだ




外の風は少し冷たく
見える景色は色とりどりで鮮やかな
明かりが点々と真っ白な画用紙に
絵の具で垂らしたみたいだ




「…はぁ」




深いため息を付くと
背後から
「ため息をつくと幸せが逃げますよ」
と低い男性の声が聞こえた





「これは失礼しました
宮下様の御令息様
我が家居によく参られました」




父の会社のライバル社の社長令息
面倒くさいのに絡まれた





私は独りになりたいのに





「…突然の来訪お詫び申し上げます
それにしてもまた美しくなられて」



にこやかに微笑むそれは
正直気持ち悪さしか感じない



昔から父親が主催する
社交パーティーには必ず彼等は現れる



呼んでもいないのに勝手に来て
弱みを握ろうと探りに来る




「…ふふ、昔から貴方は
それしか言えないのね

聞き飽きたわ」




少しトゲのある言葉を投げつけるが
彼の表情は一切崩れず
あっはっはと乾いた笑いを起こした




「今度は何をしにここまでいらしたの？
弱みは握れたかしら
機密情報ら手に入ったのかしら？」



「…加群な干渉は無用に願うわ」





「付け上がるな小娘」





ここまで言うとさすがに彼も
表情を崩した
怒りを顕にし肩を押されて
壁と彼に挟まれる

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