白い花々 【暗殺教室】 2

蝶々 ページ24

「……そう、よかった」


茅野カエデ…雪村あかりは、敗北した
彼女は小さく頷き諦める



私の勝ち


私の、勝ち


戦闘は勝ったけど、茅野カエデの精神力では
ナイフを突きつけても屈服はしない

そこで、敗北を認めるよう誘導した
決めたことには一直線
そこに漬け込む

敗北したと彼女の心が1度認めてしまえば
そこから逆らう事は絶対にない


だけど油断は禁物だ


彼女の口からゆっくりと
拳銃を引き抜き
それをハンカチで拭いてから
ポケットにしまう

ナイフも胸ポケットに入れて立ち上がり
服に付着した砂をはたいた


服装を整えてからゆっくりと
ふざけたお面をはがす

ポニーテールにした髪の毛が邪魔で
左右に顔を振った

茅野カエデを横目に見ると
やはり彼女は驚愕したまぬけな顔を
こちらに向けていた



「…改めて、朝比奈A
職業、殺し屋。
よろしくね、カエデ」



にっこりと微笑むと
彼女は信じられない…と口を抑える

触手は精神に左右されるらしいが
その触手はいまは重力に従い
だらりと下がっているだけだった



「…なんで、朝比奈さんみたいな人が…」



表面上の私からは想像出来ないんだろう
朝比奈Aがまさか殺し屋だった、なんて



「…結構いい演技でしょ？

誰にも警戒されず
誰にも拒まれない

あざとさのない優しさと笑顔

満点でしょ？間瀬榛名ちゃん」


「そんな事まで…」


「この学校の人間の事はなんでも知ってる

貴方は姉が怪物に殺され
その復讐のために
この学校に転校してきたことも」



姉といい単語を出すと
黙ってしまった

苦い顔をして握りしめた
手がブルブルと
震えている



「まず最初の命令
Ｅ組内で起こった出来事を
どんな小さな事でもいいから
報告しなさい

１ヶ月に１回は必ず
１週間内でもいい

それは貴方にまかせるわ

怪物の事だけじゃなく
クラスメイトの様子も細かくね

報告の手段はなんでもいい
絶対に他人にバレないようにして」



そんなカエデを無視して命令を下した
反論が出来ない彼女は「…わかった」
と渋々頷く


「ただ敗北して私の命令に従うだけなんて
嫌だろうから、貴方の復讐にも
ちゃんと手を貸してあげるわ」



報酬なしでは
裏切られる可能性は高い



「手を貸す…って、具体的に何をするの」

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