ピーターパンシンドローム ページ40
Aside
体が熱い。血が沸騰して、目が血走る。
次に瞬きをすれば倒れてしまうかもしれない。
銃弾も、ナイフもいくら先生に投げても当たらなくて
段々と苛立ちと焦りが湧いてきた。
「___なんで、なんでよ…
死んでよ…!!!」
感情に乱されて目眩がする
思わず床にしゃがみこんで手をついた
酸素を吸い込みたくて大きく口を開けて息をしても
空気が肺の中に入ってきていない気がする。
先生は構えた手を下ろして私を見つめていた
「…はぁ、はぁ」
自分の呼吸音だけが聞こえてくる
静まり返った教室の真ん中に私が孤独にいる
苦しくて、胸をぐしゃりと掴んだ
__こんな風になるんだったら、あの時…
私も後を追って死ねばよかった。
お兄ちゃんじゃなくて、私が死ねばよかったんだ
お兄ちゃんじゃなくて、私が
ねぇ、お兄ちゃん
貴方のいない世界で幸せになる事が
おこがましいと思うよ
「う"ぁ"ああああああ!!!!!」
唸り声を上げて、自分を奮い立たせた
二度と戻らない過去を思い出して、それを盾に
私は先生の元へ両手でナイフを握りしめて
一直線に走っていく
__もう、私は
貴方がどんな顔で笑うのかも思い出せない
__
_
肉を割く感覚は、なかった
気付いた時、私は先生を押し倒して腰の上に
乗っかっていた。
先生は始まった時からずっと変わらない顔でいる。
先生は今も出会った時からずっと、変わらずにいる
…ねぇ、私の復讐って
先生にとって、そんなに大したことなかった?
動かした包丁の反動で手の小指側の側面から
血が流れている。
じわりと滲む赤色とほんの少し痛む傷を見ながら、
私は鼻をすすった。
こんな痛みなんかより、ずっと。
家族がいない寂しさや、皆が死んでしまった時の
痛みの方が、ずっと。
ずっと、ずっと、痛かった。
体の傷なんて薬を塗れば治る…だけど
だけど___
____それは、産声だった。
火が燃える。
腹の底から唸り声をあげ悲しみを吐き出す
顔をくしゃくしゃに歪ませ、
幼子が我儘を聞いれてもらえなかった時のように。
そこにあるのは、小さな子供が泣いた姿。
子供のまま大人になってしまった、
大人になれなかった子供。
産声は膨張する。
愛を背負った残酷な悪魔。
彼女は、傷だらけの悪魔。
自分を作った母親を
自分を育てた父親を
心の底から愛した兄を
彼女は、背負う事に疲れてしまった。
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はな(プロフ) - さをりさん» ありがとうございます!! ｳﾌﾌ(*´ω`*) (2017年11月18日 13時) (
レス) id: c64884f1ed (このIDを非表示/違反報告)
さをり(プロフ) - はなさん» とんでもない！！ありがとうございます。私もこみゅーにはてんで疎いです…。主人公の変わりようがスキ。。。浅野君イケメンすぎて発狂しました (2017年11月18日 6時) (レス) id: 6748c59384 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - ミューナさん» ありがとうございます!!嬉しいお言葉(泣)友達申請全然おっけーです!!頑張ります!! (2017年11月18日 0時) (レス) id: c64884f1ed (このIDを非表示/違反報告)
ミューナ(プロフ) - ↓続き：なんか、最後テンションおかしかったような（汗) あの、迷惑でなければ友達申請してもいいですか？ (2017年11月18日 0時) (レス) id: ce2e2cbeea (このIDを非表示/違反報告)
ミューナ(プロフ) - これから、はなさんが自分の思いを気持ちをどのように文字に込めて物語にしていくのかすごく楽しみです。気持ちと文字って違うから。だから本当にはなさんの事、尊敬しています！考えさせられる事だから！ (2017年11月18日 0時) (レス) id: ce2e2cbeea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はな | 作成日時：2017年10月30日 3時
