眠りたい ページ23
「やぁ、こんなところにいたのか、浅野君」
背後から大人の30代男性と思われる声が
聞こえた
振り返ると会場で見つけた私の仇
彼と同じ髪色
雰囲気も彼とそっくりだ
目はきっと母親譲りなんだろう
一目でわかるよ君のお父さんだと
「…浅野君の、お父さんですか？」
わかりきっている答えを口にする
仇を目の前にして冷静でいられる私を
私は褒め称えたい
「…そうだよ君が浅野君のパートナーだね
見事な演技だったよ、優勝おめでとう」
私と同じ目線になるために膝をおり頭を撫でる彼の手を振り払いたかった振り払えなかった
不信感を抱かれては困るそれに周りの目も気にしていたここでバレるわけにいかないから
だけど浅野先生も同じ乾い目を私に投げた
私をそんな目で見た
ほらあなたは私を覚えていないのね私はずっとあなたを覚えていたのにあなたに何もかも壊されてぐしゃぐしゃにされて人生が滅茶苦茶になってしまったといつのに、あぁ
「ありがとう、ございます」
泣けない泣いてはいけない
仇の前で泣きたくなんかない私はまだ
こいつをころしてなんかいない
「…私、ずっと貴方に憧れていました。
学秀くんからお話をよく聞いていましたから。
これからも沢山頑張ります。
いろんな大会で優勝して、勉強だって頑張ります。
どんな困難にだって立ち向かいます。
いつか、貴方に追いつくために。
だから待っててください
いつか貴方と同等になって見せます
同等になったら貴方と越えて見せます
(殺して見せます)」
宣戦布告
驚いた表情を見せた浅野先生は
一瞬目を見開いたがすぐまた笑って
待ってるよ。そう言って頭を優しく撫でた
ねえ子供の戯言だって思ってるんでしょう
信じてなんかないんでしょう
いいのよ今はそれでいいの
10数年後死ぬ時にこの言葉の意味を知るんだから あぁ、あれは殺意だったのか、私を殺す宣戦布告だったのかってそうわかるから
私をなめて、なめてなめてなめて油断していてほしい隙だらけにしてほしい
喉を掻き切ってその首を持ち上げて
嬉々として戯れてやりたい
あなたの返り血を浴びて達成感と優越感に浸って浸りに浸って溺れるくらいにそうして笑顔で
死にたい。
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ふじか(プロフ) - 改行が多くて読み辛いです。 (2022年5月4日 14時) (
レス) @page9 id: ae671ca5ff (このIDを非表示/違反報告)
ミナ(プロフ) - はなさん» おじいちゃん亡くした時のことを思い出して泣いてしまいました…夢主ちゃんと同じ思いをして小学校の頃を鮮明に浮かび上がってきて辛いです。続編全部読ませて頂きますね(><) (2019年7月28日 16時) (レス) id: 40552a2b29 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - キリさん» キリさん、ありがとうございます！泣 頑張ります！ (2017年11月2日 20時) (レス) id: c64884f1ed (このIDを非表示/違反報告)
キリ(プロフ) - 最初から感動してしまいました。復讐の話はあまり好きではないけど結構面白いです。頑張ってください！ (2017年11月2日 20時) (レス) id: 2e9f7f3ae9 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 黒音さん» 浅野先生を恨むのはちょっと違いますよね。ネタバレしてしまいますが、そこの謎は最終章らへんで解き明かされます！ (2017年7月16日 12時) (レス) id: c64884f1ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はな | 作成日時：2015年9月10日 22時
