あの夢はなんて名前だっけ ページ21
予想通り練習の成果通りの結果
両親の期待通りの
私のシナリオ通りの結果
「お父様」
父「よくやったね凄いねA」
私の頭を優しく撫でる父
私よりもはるかに大きな手
大人の男性の手のひら
いくつかの高価な指輪が頭皮に当たって痛い
頭から手が離れ父の顔を見る
あぁほら私の大好きな父親ではない
そこにいるのは、私の本当のお父さんではない
高価な帽子に高価なスーツ
少し焼けた肌に伸びたヒゲ
私はこんな人知らない
お父さんはもっと、もっとかっこ悪かった
かっこ悪い父が好きだった
背中が大きくて少し抜けてて
高価な物には興味がなくて
優勝したら本当の父はきっと私を
私を抱き上げて名前を叫ぶんだろう
彼がそれをしないのは周りの目を気にしているから周りの評価を気にしているからお金持ちだから
彼ら(第二の両親)はそういう人種だから
「浅野君のところにいってきます」
小走りでその場を去る
人混みを掻き分けて同じ身長の男の子を
目で探す
「浅野君、お疲れ様」
大きな花束を持った学秀くん
その顔に喜びはなくただ真顔で
当然の結果だと勝ち誇る表情に
その態度に私は嫌悪感を抱いてしまった
世の中に絶対なんてない
絶対とは、他の何者にも制限や制約が無い事
当然の結果なんてそれは違う努力して努力して勝ち取った私達の報酬
私達よりも努力していた人たちが
絶対優勝するとは限らない
練習の成果と
その時の最高の条件が私達に揃っただけ
最高の条件とは例えば私たちの容姿だとか審査員の甘さだとか体調だとか
別に私達の演技が悪かったわけじゃない
最高の演技ができたと自負している
つまり何が言いたいかというと私はただ優勝した喜びを彼と分かち合いたかった
笑ってよかったね、やったね、楽しかったねって手をとりたかった
この環境にいるとおかしいのは私なのかと思ってしまいそうで
いつか私は狂ったこの感覚に飲み込まれてしまいそうで怖い
「Aちゃん、お疲れ様
最高だったよ」
貼り付けられた笑顔が小石のように投げられた気がしたこの年で作り笑いができてしまう彼が怖い怖くてたまらない
「…ありがとう。学秀くんも、最高だったよ」
貼り付けられた笑顔に本当の笑顔を返す必要はないと私は判断するだって彼は私に心を開いていないのだから私と彼の考えは違うから
きっとこの先交わることはすることは一致することはないだろうから
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ふじか(プロフ) - 改行が多くて読み辛いです。 (2022年5月4日 14時) (
レス) @page9 id: ae671ca5ff (このIDを非表示/違反報告)
ミナ(プロフ) - はなさん» おじいちゃん亡くした時のことを思い出して泣いてしまいました…夢主ちゃんと同じ思いをして小学校の頃を鮮明に浮かび上がってきて辛いです。続編全部読ませて頂きますね(><) (2019年7月28日 16時) (レス) id: 40552a2b29 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - キリさん» キリさん、ありがとうございます！泣 頑張ります！ (2017年11月2日 20時) (レス) id: c64884f1ed (このIDを非表示/違反報告)
キリ(プロフ) - 最初から感動してしまいました。復讐の話はあまり好きではないけど結構面白いです。頑張ってください！ (2017年11月2日 20時) (レス) id: 2e9f7f3ae9 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 黒音さん» 浅野先生を恨むのはちょっと違いますよね。ネタバレしてしまいますが、そこの謎は最終章らへんで解き明かされます！ (2017年7月16日 12時) (レス) id: c64884f1ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はな | 作成日時：2015年9月10日 22時
