Childhood friend 【赤井秀一】 (ページ6)

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×Anger ページ6

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意識が戻ったのは夕方くらいだった。
連れて行かれたのは確か昼過ぎだったから2、3時間が経っている筈だ。

『…ow(痛っ)』

腕を後ろでキツくロープで結ばれていた。
ロープが擦れたのか少し皮が向けて赤く腫れていた。
脚は拘束されていなかった為音を出さない程度で動き回る。

この部屋にはA一人しかいない。
男は何処かに行ってしまったようだ。
逃げ出すには今しかない…！

そう思った瞬間、扉からガチャリと音がした。

「起きたんだね、ぼくの愛しのハニーちゃん」

『Where is this place(此処は何処ですか)?Who are you(貴方は誰ですか)?』

「何て言ってるの？…でも、分からないのは都合がいいよ。ぼくが何言ってるか分からないもんね」

どうやら、男は英語に関してちんぷんかんぷんらしく中学生で理解できる英語を理解できないようだった。
そういう私もあまり日本語は分かっていない。
挨拶や感謝の言葉は覚えてきたけどその他の日本語に関しての知識は皆無である。

「お腹空いたでしょ。お昼食べてないもんね」

男は小さなビニール袋からパンを取り出した。
袋を開けてパンを一口大にちぎり私の前に差し出した
お腹は空いているが食べる気が起きない。
どう見てもコンビニで買ってきたパンだけど…。

「あれ、好きじゃなかった…？毒は入ってないんだけど」

そう言ってそのパンを男が全て食べ尽くした。

どうしたら、逃げられる…？
その事しか頭に入っていない。

「結婚式はどうしようか。やっぱり、リゾート地が良いよね。グフフ…。」

"結婚"とか理解できない日本語を話すがAには理解できない事ばかり。
勝手に話しが進められ早く逃げ出さなければ面倒くさい事になるかもしれない。

「…ん？ねえ、その首に掛けてるのって…"指輪"？」

男は私が首に掛けてある彼とのお揃いであるペアリングに目を付けた。

「ぼくと結婚するのに、指輪を持ってるのはいけないよぉ…」

ﾊﾟｷｯ

『…!!?Stop(止めて)!!!』

嫌な音が聞こえた。
案の定、男はペアリングを掛けてあるネックレスを壊し窓を開け投げ捨てた。

直ぐに窓際へ駆けて窓の外を見る。
一面草だらけで見つけるには物凄く時間が掛かる。
私は怒りが収まらず男を睨みつける。

「…なんだ、ぼくに向かってその態度…ムカつくな」

男は私に向かって拳を上げた。
私は咄嗟に目を瞑り痛みの衝撃が来るのを待った。