ep.20【純黒の悪夢】 ページ21
・
「…スティンガー。」
『…嫌だっ。これ以上…俺の前から消えないでくれ』
無意識にキュラソーの腕を掴んでいる手に力が籠もる
「…スティンガー。記憶を失ってる私を組織に連絡せず一緒に行動してくれた事に感謝しているわ…」
『キュラソー…』
「貴方が居なかったら、私は本当の自分になり損なっていたかもしれない。」
キュラソーは今の自分が本当の自分だと言う。
真っ黒な色じゃなくて白に近い色になりたいと言う。
今までしてきた罪を数えれば私は取り返しもつかないけど…その分をこれから取り戻せれば良いとキュラソーは言った。
「お願い、スティンガー…組織にケリをつけさせて」
真剣な眼差しで俺を見つめるキュラソー。
結局、最終的に折れたのは俺だった。
『…死ぬなよ。』
「善処するわ。あの子達を頼んだわよ」
『…任しとけ』
キュラソーが動き、銃撃も一箇所に限られる。
『さあ、俺達もこの隙に…』
シェリーを促し、子供達がいるであろうゴンドラを目指す。
ゴンドラが見え、行き方も把握した。
『シェリー、此処から先は自分で行けるか？』
「行けるけど…貴方はどうするつもり？」
『キュラソーを探す。まだ死んだとは限らない。』
「…気をつけて」
『…嗚呼。子供達は君に托したからな』
シェリーの頭を優しく撫でて来た道を戻る。
・
どこに居るんだ、キュラソー。
キュラソーが行った先であろう場所に辿り着いたがそこにあるのは沢山の瓦礫の山。
早くしないとまた奴等からの攻撃が始まる。
ジンの事だから此処にいる人間を殺す為に、車軸に仕掛けたであろう爆弾を爆発させるだろう。
その前にキュラソーを救い出し此処から脱出しなければ…！
しかし、奴等が与えてくれる時間はないに等しくすぐ様弾丸の雨が降ってきた。
弾丸は止むこともなく降り注ぎ、遂には観覧車の車軸からホイールが外れた。
『…シェリー…！』
運悪く子供達が乗っているホイールが崩壊し、ゆっくりと転がり始める。
瓦礫が崩れてきた。
そろそろ此処も保つかどうか不安だ。
ｶﾞﾗｯ
「ｯﾊｱｯ……!!!」
瓦礫の山からキュラソーが姿を現した。
どうやら、暫くは瓦礫の下に埋もれていたようだった
『…!!!キュラソー…！良かった…無事だっ…!!?』
だが、束の間の安心もすぐに崩壊した。
キュラソーの脇腹に突き刺さってる何かの鉄の棒。
そして、俺は何かを察した。
彼女が今から何をするか…。
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Topaz トパーズ - 面白かったです！こんな素敵な作品を作ってくれてありがとうございました！(o^―^o)ﾆｺ (2021年6月5日 5時) (
レス) id: 09b28cb614 (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - 安室さんの車はRX-7ではないでしょうか？ (2019年10月23日 13時) (レス) id: 52067018fe (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 面白かったです！更新楽しみにしています！ (2019年9月23日 3時) (レス) id: 10e30cb7f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊. | 作成日時：2019年9月8日 20時
