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開人くんをアパートの外に出して数分も経たないうちにアパートは全焼した。


『(携帯……は……しまった……あの中…)』


何もかも家の中だ。
母親にどうやって連絡しよう。

今も血が流れてる頭を抑えながら今も尚燃え盛る元住居を見つめる。


「大丈夫ですか!!?119番しましたから!」

『…ありがとうございます…ッ』

近所の人が駆け付けてきてくれた。
自分より開人くんを見てくれるように伝えると無理はしないでと一言言って開人くんの様子を見てくれた。





意識が絶え絶えの時救急車と消防車のサイレン音が聞こえてきた。

嗚呼、やっと来たか…
アパートはもう全焼してしまったよ。

他の人に迷惑かけてしまった。


僕に、もっと力があれば…
この火事を止める事が出来たのに…



僕はそのまま意識を失った。


____



夢を見た。

まだあれは僕が幼稚園にも通ってなかったあの頃


初めての女児が生まれた。



僕に初めて妹が出来た。



「A、妹の蒼伊よ。」

『蒼伊…おにいちゃんだよ。よろしくね…』

蒼伊にまだ小さい自分の手を伸ばす。
蒼伊の手元に手をやるときゅっとか弱い力で指を握ってきた。

『〜〜ッ!!!おかーさん…!』

「"原始反射"の1つね」

『げんしはんしゃ?なぁに?』

「赤ん坊が無意識にする行動の1つよ。Aも赤ちゃんだった時だってあったんだからね」

『うそだぁ。僕そんなことしてないよぉ』

「本当なのよ。お母さんだって赤ちゃんだった頃にもあったんだから。」

『じゃあ、おとーさんも?』

「嗚呼。父さんにもあった。」


まだあの頃は父親がいた。
優しい表情で僕の頭を良く撫でてくれたのを今でも覚えている。


『みんなあったんだぁ。
蒼伊、僕蒼伊を守るためにつおくなるからね!』

「つよく、ね(笑)」

『つおく!』


あの頃は幸せだった。


母と父。


僕と妹の蒼伊。


家族四人で幸せに暮らす……筈だった。


だったのに、

"幸せ"

その言葉はいとも簡単に崩れ去った。

蒼伊が3歳になり僕は幼稚園に通っていたあの日。

僕は蒼伊の遊び相手をし終えて布団に包まり目を閉じた。

数分もしないうちに夢の中へ落ちていった。

しかし、それも1時間もしないうちに意識は覚醒させられた。

「蒼伊!!?」
「どうした…!」
「蒼伊が…息をしてないの…ッ!!!」
「何だって!!?」

両親と蒼伊が寝て過ごす部屋から聞こえた。
蒼伊の身に何か起きたんだろう。
いても立ってもいられず僕は部屋から飛び出した。

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柊.(プロフ) - ルイさん» コメントありがとうございます。粘れば続けそうでしたけど長く続くと自分の気力が落ちちゃうので無理矢理終わらせちゃいました。笑私にとっては男主の方が何かと作りやすいですからね。恋愛もないし笑またの小説も頑張ります (2019年8月19日 23時) (レス) id: c4e754f3c1 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - でも、コナンくん達と出会って色々あり、やっとの事で家族全員ハッピーエンドを迎えたのを見て感動しました。欲を言えば、もう少しお話を見ていたかったですけど(笑)、んー、まあ…その、お疲れ様でした。これからも、面白い小説待ってます。笑 (2019年8月19日 23時) (レス) id: 1036fcd1e5 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - 完結おめでとうございます。一時期、男主の作品にハマっていて偶然見つけたのがこの作品でした。不運な事故で妹をなくし、妹の代わりに女の子として育っていた主人公を見て可哀想だな、と思いました。 (2019年8月19日 23時) (レス) id: 1036fcd1e5 (このIDを非表示/違反報告)
柊.(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます。久々に誤字りました(笑)また、誤字がありましたらよろしくお願いしますね(笑) (2019年8月15日 17時) (レス) id: c4e754f3c1 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 21話に誤字がありました。「マカでミンショー」ではなく、「マカデミーショー」です。 (2019年8月15日 16時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柊. | 作成日時:2019年6月14日 19時

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