高校教師の備忘録【男主】

【20話】手紙 ページ21

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side R

「…ご臨終です。」


医師の言葉がすぐに理解しようとは出来なかった。

こんなにも身近で、数ヶ月間しか過ごせなかった大好きな担任が死んでしまった事が未だに理解できなかった。

「蘭…ｯ(泣)」

「園子…ｯ」


他の子も皆、先生の死に悲しんでる。

「…京さんから貴方達に渡してほしいと…これを」

看護師さんが病室の引き出しに入っていた物を私達に手渡した。

「これ、…ｯ先生が私達一人一人に手紙を書いてくれてる……ｯ」


一人一人に手渡され、私にも手紙が手渡された。
園子も既に渡されていて手紙を読んでいた。


私も封を取り、手紙を読んだ。

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毛利蘭さんへ、

君は、とても努力家です。
努力もあってこそ、空手の都大会優勝という結果を残せる事が出来ました。

私は君の顧問ではありませんが、担任として君を誇りに思います。


2年B組、このクラスは私の大事な宝物です。
君達と過ごした数ヶ月間、とても楽しかったです

本当にありがとうございました。


京Aより


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「ｯ先生…」

少し、力がなかったのか少し字が頼りなかったけど
先生の気持ちは十分に伝わってきた。

京先生の顔にはもう白い布が掛けられていた。


「みんな、先生の気持ち…ちゃんと受け取ったよね」


「うん、ちゃんと受け取った。」

「だから…先生の気持ちを…忘れずにこれから過ごしていこう。」

「来年…3年のこの日…大学受験で忙しいけどまた皆で集まろう。」

「勿論…ｯ!!」


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no side


拝啓、天国にいる京先生。

私達、2年B組は先生の気持ちを忘れずに日々頑張って取り組んでいます。


天国(そっち)で家族に無事、会えましたか？


私達は一生先生の事を忘れません。
だから天国にいても私達の事を忘れないでください

どうか、私達が社会に出るまで見守っていて下さい


先生、大好きです。



2年B組・備忘録より


ーーー

私達"元"2年B組は京先生の事を忘れないように
2年B組だけの日記を書くようになった。


私達は全員3年に進級した。
今、私達は大学受験に向けて日々頑張っている。


京先生の気持ちも忘れず、

先生の気持ちを背負って…





私達はこれからも生きていく。



ーfinー

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