壁の向こうの坂田家少女【センラ】

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わたしにしてはかなり珍しいことだった。





さかたん以外の声に聞き入るだなんて。



いつもなら１回フルで聞いたら次に聞くときはさかたんのところ以外スキップするのが当たり前だったのに。






いや、悪いとは思ってるよ、ほかの３人のファンの方には。



でも本当にさかたんにしか興味がなかった。今までは。あ、あとおとなりさん。






さかたんの次に聞こえるこの声。なんだかあったかくて優しい声。




この人…誰なんだろう。






あいにく今は電車の中。Wi-Fiは使えないし月末に通信制限が厳しくなるからNico Boxで我慢するしかない。




それに人がいすぎてスマホに手が伸ばせないし。







『次は〜〇〇〜、〇〇です、お出口は…』








あ！降りなきゃいけないんだけど！降りなきゃいけないんだけど…





「ちょ、通してください〜！すみません！降ります〜！！」







お り れ な い








あーもう！早く帰りたいからって帰宅ラッシュに乗りこむんじゃなかった！



これ逆に降りれなくて家に帰るの遅くなるんじゃ…






そんなこと考えてるうちにどんどん奥へ流されてく。おじさん強いな、くそう。



わたしんちはあんまり人が降りない駅。つまり停車時間も短めってこと。







「降ります！！通してください！！あーもう！通してっ！…ってうわあっ！！！！」






突然ぐいっと腕を引っ張られ、わたしは駅に降りれた。その瞬間電車のドアは閉まった。





「よかったね、お互い降りれて。いや〜乗り過ごすとこやった！」





驚くことにわたしを降ろしてくれたのはセンラさんでした。

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