［２０−３］ ページ40
渡辺side
顔を上げて見ればそこには
優しい表情をした目黒が立っていた。
その表情は大丈夫だと言ってくれてるようで、
先程の2人で話していた会話を思い出す。
そしたら俺もふっと力が入っていた体が抜けて、
みんなの姿を見ることができた。
一つ呼吸をして、口を開く。
「俺……今日の生配信は、ファンの人と……
っ、みんなと全力で楽しみたいって思ってる」
「……っ、」
「だからっ、勝手だと思うけど……っ」
みんなとの間にある遠慮を壊したい。
自分が作った壁さえも。
今はちゃんと分別しておきたいって思ってる。
それは俺達がファンの人を大切に思っているように、
ファンの人もきっと俺達を見てくれてるからこそ。
今の状態じゃ絶対に
こっちの違和感に気づくに決まってるから。
そんなんじゃ、楽しむなんて出来ないから。
せっかく俺達とファンの人との思い出が増えるのに。
俺のせいで台無しになんかしたくない。
だから今だけでも暗い空気は消したくて。
原因を作った俺が言うのもなんだけど。
いや、原因を作った俺だからこそ
言うもんだと思うから。
「……俺もみんなと、頑張らせてほしい」
分かっていると思うから
今は野蛮なことは言わない。
詳しいことも話せないけど。
それでもお願いするのは
それ以上に俺がみんなを信じてるからだ。
「お願い」
改めて頭を下げたあと、強く全員を見渡す。
するとみんなは少しの沈黙のあと、
ふわりと笑って頷いた。
「急に真剣な顔するかと思ったら、そんなことか」
「びっくりしたぁ〜」
「え……？」
「いやほら。
俺らはずっと全員で楽しむつもりだから」
「そーそー！
というかしょーたくんは違ったのかにゃ？」
「なに1人だけ仏頂面でやろうとしてんの〜」
「いやっ、違うけど、っ……だって、」
「あっ、てか時間やばい！」
「ほんまや！ はよ行こ！」
「え、あっ、ちょっと！」
割と渾身の思いを込めたはずが
肩透かしをくらったようにあっさり終わる。
しかも時間がヤバいだの言い騒いで
康二に手を引かれてそのまま全員で
リハーサルに向かう始末だ。
そしてそこからもいつもと変わらない雰囲気で進み、
特別無理をさせてる訳でもなく普段の俺達のまま
本番へのリハーサルを終えることが出来た。
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つらら(プロフ) - わたあめのサブさん» わたあめのサブさん、２のフラグの件ではありがとうございました！ そしてコメントありがとうございます！ 私も安心して限界を書いているのでそう言ってもらって嬉しいです。笑 この先はまた一段と目まぐるしく地獄が訪れますので是非ともよろしくお願いします！笑 (2021年4月22日 10時) (
レス) id: d8343dd607 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめのサブ(プロフ) - 初めてのコメント失礼致します＾＾結末が約束されているので、どんどんボロボロになっていく渡辺さんを楽しく安心して見ていられます。笑 まだまだ展開があるのかな？ワクワクしながら読ませて頂きますね＾＾ (2021年4月17日 0時) (レス) id: 9660734c9a (このIDを非表示/違反報告)
つらら(プロフ) - ぬんさん» ぬんさん、コメントありがとうございます！ そしてとんでもなく嬉しいお言葉まで！ ぬんさんのご期待に添えるよう、この先も頑張りますので引き続き、物語の展開をお楽しみにして頂けたら幸いです！ (2021年4月10日 13時) (レス) id: d8343dd607 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - すごく面白いです！今まで見たことのない作風で、結末めっちゃ気になります！更新頑張ってください！ (2021年4月6日 1時) (レス) id: 86eb208196 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つらら
| 作成日時：2021年3月30日 0時
