［２０］どっちつかず ページ38
目黒side
ガチャ
「あ」
「……あ」
前の仕事が終わってそのまま来た楽屋。
てっきり俺が一番乗りかと思っていたけれど
中にはすでにしょっぴーがソファーに座っていた。
「おはよしょっぴー」
「お、おはよう」
「早いね。俺1番かと思ってた」
「うん。俺今日はこれだけだから」
「そっか」
特に荷物もない俺は
そのまましょっぴーの隣に座る。
するとどこかぎこちないまま距離を取られて、
俺も何も言うことなく携帯を開いた。
「……」
「……」
無理に会話することなく。
いつも通りの空気感で
それぞれ自由に時間を過ごす。
そしたら視界の隅でしょっぴーが
こちらをチラチラ見ていることに気付いて。
俺も何気ない感じのまま
しょっぴーの方へ顔を向けた。
「どうかした？」
「あ、いや……」
「もしかして体調悪い？」
「それは大丈夫っ！
昨日ちゃんと薬飲んだし」
「なら良かった。
ほら、みんな心配してたんで」
「っ……そっ、か」
なんとなく。
しょっぴーの考えてることが分かる。
多分、昨日のことがあって
心配している部分があるんだろう。
俺達が怒っていないか、まだ怪しんでるのか。
きっと負に近い感情が大半と思う。
でもそれは俺達だって想定済みだ。
優しいしょっぴーなら
自分よりもメンバーのことを考えるってことを。
それこそ今俺1人が無差別に
切り込むべきじゃないってこともね。
(……だけど、)
「今日、楽しみっすね」
「え？」
「生配信。
ファンの人達に、絶対良いもの届けましょ」
たった1時間。
それだけでもその1時間は
俺達にとって大切で幸せな時間のはずだ。
ならみんなで楽しまなきゃ損じゃん？
そう思いを込めてしょっぴーへ伝えれば、
ずっと強ばっていた表情が少しだけ和らいで。
「そうだな」
「新曲もありますし、きっとあっという間ですよ」
「ん……俺、歌大丈夫かな」
「え？」
「ほら……生だし。
気持ち届けられなかったらどうしようって」
「っ、ふは。笑」
「なんだよ。俺割と真剣なんだけど！」
「ああ、いや。
俺的にはそこの心配してなかったから。笑」
「は……」
だってしょっぴーだもん。
なんて理由にもなってない理由を告げれば、
何故かふいっと外される目線。
それに顔を近づければ
照れたような赤い顔がそこにいて。
「あれ。
もしかして俺嬉しいこと言っちゃってました？」
「っ、るせ！」
「うははっ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1068人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
つらら(プロフ) - わたあめのサブさん» わたあめのサブさん、２のフラグの件ではありがとうございました！ そしてコメントありがとうございます！ 私も安心して限界を書いているのでそう言ってもらって嬉しいです。笑 この先はまた一段と目まぐるしく地獄が訪れますので是非ともよろしくお願いします！笑 (2021年4月22日 10時) (
レス) id: d8343dd607 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめのサブ(プロフ) - 初めてのコメント失礼致します＾＾結末が約束されているので、どんどんボロボロになっていく渡辺さんを楽しく安心して見ていられます。笑 まだまだ展開があるのかな？ワクワクしながら読ませて頂きますね＾＾ (2021年4月17日 0時) (レス) id: 9660734c9a (このIDを非表示/違反報告)
つらら(プロフ) - ぬんさん» ぬんさん、コメントありがとうございます！ そしてとんでもなく嬉しいお言葉まで！ ぬんさんのご期待に添えるよう、この先も頑張りますので引き続き、物語の展開をお楽しみにして頂けたら幸いです！ (2021年4月10日 13時) (レス) id: d8343dd607 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - すごく面白いです！今まで見たことのない作風で、結末めっちゃ気になります！更新頑張ってください！ (2021年4月6日 1時) (レス) id: 86eb208196 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：つらら
| 作成日時：2021年3月30日 0時
