［１９−３］ ページ34
深澤side
「……じゃあ、ふっか。お願い」
「ん」
全部を話すと告げたあと、
俺達は一度駐車場へと向かっていた足を
またスタジオへと引き返していた。
それからマネージャーやスタッフさんに
しばらく8人だけで話がしたいと頼み込み、
1時間の猶予を与えられて、防音室へ案内された。
そしてそこにあった椅子へ各々座り、
照の合図によって今までの俺の考えを
話すように口を開いた。
「最初は……俺も考えすぎだと思ってた」
事の発端は前に行われたご飯会の5日後。
ラウールと翔太以外の7人で
翔太の様子を話していた時のことだ。
康二の話から翔太の足の怪我が
あの時から2ヶ月前の怪我と一致するんじゃないか。
そんな想定が出来た。
「なるほど……色々話してたんだね。
ってか、俺しょっぴーの怪我気付いてなかった」
「俺らもだよ。康二に言われて知ったの」
「けど、なんで同じ怪我だと思ったの？」
「その怪我がね、同じような傷だったの。
どっちもカッターで切れたみたいな。だよね康二」
「うん。スッパリいってた」
補足するように康二が
あの時話したことをラウールに説明してくれる。
最初は難しい顔をしていたけれど
なんとなく話を理解した頃には
ラウールは悲しそうな顔浮かべていて。
「ねぇ。それってさ……」
不安そうに聞いてくる顔は子供ながらに
その先に続くであろう言葉は俺と同じ考えだ。
だから俺もゆっくり頷いてやって、口を開く。
「その時にね。もしかしたら、翔太、
嫌がらせされてるんじゃないかって思ったの」
「っ……そう、だよね……」
「え……嘘でしょ？ 俺、全然そんなこと……」
「……俺も」
俺らの中じゃ阿部ちゃんに近い頭を持つラウールは
悲しそうに頷いて納得を示す。
しかし、他のメンバーは
驚きの様子を表すやつが大半で。
そりゃそうだ。
たかが同じ怪我を隠そうとしたことと、
当時の翔太の様子なんて少ない情報から
そんな突飛な発想をするのは有り得ないと思う。
だから俺も考えすぎだと思ってたんだ。
それはきっと阿部ちゃんも。
けどもし本当だったら大問題の事実で。
その為に、混乱を避けてみんなに何も言わず、
俺と阿部ちゃんで探ることにしたのだ。
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つらら(プロフ) - わたあめのサブさん» わたあめのサブさん、２のフラグの件ではありがとうございました！ そしてコメントありがとうございます！ 私も安心して限界を書いているのでそう言ってもらって嬉しいです。笑 この先はまた一段と目まぐるしく地獄が訪れますので是非ともよろしくお願いします！笑 (2021年4月22日 10時) (
レス) id: d8343dd607 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめのサブ(プロフ) - 初めてのコメント失礼致します＾＾結末が約束されているので、どんどんボロボロになっていく渡辺さんを楽しく安心して見ていられます。笑 まだまだ展開があるのかな？ワクワクしながら読ませて頂きますね＾＾ (2021年4月17日 0時) (レス) id: 9660734c9a (このIDを非表示/違反報告)
つらら(プロフ) - ぬんさん» ぬんさん、コメントありがとうございます！ そしてとんでもなく嬉しいお言葉まで！ ぬんさんのご期待に添えるよう、この先も頑張りますので引き続き、物語の展開をお楽しみにして頂けたら幸いです！ (2021年4月10日 13時) (レス) id: d8343dd607 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - すごく面白いです！今まで見たことのない作風で、結末めっちゃ気になります！更新頑張ってください！ (2021年4月6日 1時) (レス) id: 86eb208196 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つらら
| 作成日時：2021年3月30日 0時
