［１７−４］ ページ26
阿部side
「じゃあとりあえず俺らは
そろそろリハ再開していこっか」
「そうだね。あとはスタッフさんに任せよ」
熱のイレギュラーが発生した為、
全員で動いていたけれど
まだ最後の通しが終わっていない。
だからみんなでそろそろ
スタジオに戻ろうかと話していた時。
「ね、ふっかさん。しょっぴーにこれ、」
「ああ。うん。お願い」
ラウールがふっかへ話しかけて、
翔太の元へ行く。
それからその様子を横目に
大人達は軽く通しの話をし始めて。
「うん。分かった。
じゃあとりあえずそんな感じで」
「翔太にはあとで連絡入れよっか」
「了解です」
手短にだけど簡単に話をまとめながら
滞りなくリハを行えるようにしていく。
……しかし、その直後。
「……ぇ……」
ラウールの乾いた声が
会話の隙間に小さく落とされた。
「なに？」
「なんかあった？」
ただの普通の行動にそんな反応をする訳がなくて
俺が声をかけるとゆっくりと振り向くラウール。
その表情はさっきとは真逆で
酷く傷ついたような、泣きそうな顔をしていて。
「え？ え、なにどした」
思わずみんなでラウールの元へ行けば
その顔をさせていた原因の種が
何も言わずとも視界へ鮮明に入ってくる。
それは全くもって予想していなかった衝撃。
「……なに、これ……」
語彙はある方ではあった俺の言葉でさえ
この有様だ。
そしてうるさくはないものの穏やかでいた
その場の空気が一瞬にして沈黙へと変わる。
目の前の光景。
それはどの糸を手繰り寄せたって
繋がるどころか絡み合うこともない。
いくら考えたって自分の持っている
ピースじゃ全然足りなくて。
(一体、何が起こってる……？)
不意に隣にいた彼の方を見た。
けどその様子じゃ俺と同じような状況なんだろう。
「なんで……まだ……」
口元を手で覆ってポツリと呟いたその言葉は
周りに聞こえることもなく、静かに消えていった。
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つらら(プロフ) - わたあめのサブさん» わたあめのサブさん、２のフラグの件ではありがとうございました！ そしてコメントありがとうございます！ 私も安心して限界を書いているのでそう言ってもらって嬉しいです。笑 この先はまた一段と目まぐるしく地獄が訪れますので是非ともよろしくお願いします！笑 (2021年4月22日 10時) (
レス) id: d8343dd607 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめのサブ(プロフ) - 初めてのコメント失礼致します＾＾結末が約束されているので、どんどんボロボロになっていく渡辺さんを楽しく安心して見ていられます。笑 まだまだ展開があるのかな？ワクワクしながら読ませて頂きますね＾＾ (2021年4月17日 0時) (レス) id: 9660734c9a (このIDを非表示/違反報告)
つらら(プロフ) - ぬんさん» ぬんさん、コメントありがとうございます！ そしてとんでもなく嬉しいお言葉まで！ ぬんさんのご期待に添えるよう、この先も頑張りますので引き続き、物語の展開をお楽しみにして頂けたら幸いです！ (2021年4月10日 13時) (レス) id: d8343dd607 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - すごく面白いです！今まで見たことのない作風で、結末めっちゃ気になります！更新頑張ってください！ (2021年4月6日 1時) (レス) id: 86eb208196 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つらら
| 作成日時：2021年3月30日 0時
