［１４−３］ ページ11
渡辺side
ガチャ
「あ、来た。翔太大丈夫？」
「薬飲めるなら飲んどこっか」
「あと舘さん、ごめん。
翔太そのまま医務室連れてける？」
スタジオへ戻るとまだ打ち合わせ中ながら
俺への手回しは完璧らしい。
メンバーやスタッフさんのテキパキした指示で
ロクに抵抗も出来ないまま症状を言わされて
薬を飲んだあと医務室へ連れて行かれた。
そんな中でも俺は
まだ仕事を放棄することに諦めきれれず。
「ねぇ……話、聞くだけもダメ……？」
「だめ」
「なんでよ。
お願い。何も喋んないから」
連れてきてもらった涼太に対して
かなり無茶なことを言っていた。
もちろん涼太も折れる気はないから
ちょっと厳しい顔をして俺のことを見つめる。
「だったら尚更ここで寝た方がいいじゃん。
ほら。それ以上言ったらマネージャー呼ぶよ」
「うぅー……やだー……」
「なんなら病院連れてくことも出来るけど？
どうせ今日、夜間で行く予定だったんでしょ？」
「っ、やだ、！」
「なら休む」
「……はい」
「また終わったら来るから。
何かあったら医務の人呼ぶこと。分かった？」
「ん……」
きっぱりとした口調で有無を言わせない涼太に
渋々頷いて、掛けられたタオルケットに身を包む。
「お水置いとくから、起きてたら水分補給ね」
「ありがと」
なんとなく、涼太のこういう時の
強引な所とか優しい所、
うちのマネージャーに似てるわ。
むしろだからこそ
俺のマネージャーになったのかなあの人。
(どっちでもいっか……)
そんなことを思い浮かべながら
涼太の背中を見送る。
そうしてパタリとドアが閉められた直後、
取り残されたようにしんと静かな空間が漂っていて。
「はぁ……」
体調が悪い時はどこか人肌が恋しくなるというが
それは俺も例外じゃないらしい。
さっきまであった涼太の手をもう求めてしまって
天井のライトがウザったくて目元に腕を置いた。
(やっぱりちょっとだけ寝ようかな……)
体の倦怠感に素直に従って
そう決めてから10分後。
しばらくは打ち合わせのことや謎の不安感に
寝返りを繰り返していたものの
なんだかんだ体の疲労感には抗えず。
久しぶりに自分でも知らないうちに
眠りにつくことが出来ていた。
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つらら(プロフ) - わたあめのサブさん» わたあめのサブさん、２のフラグの件ではありがとうございました！ そしてコメントありがとうございます！ 私も安心して限界を書いているのでそう言ってもらって嬉しいです。笑 この先はまた一段と目まぐるしく地獄が訪れますので是非ともよろしくお願いします！笑 (2021年4月22日 10時) (
レス) id: d8343dd607 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめのサブ(プロフ) - 初めてのコメント失礼致します＾＾結末が約束されているので、どんどんボロボロになっていく渡辺さんを楽しく安心して見ていられます。笑 まだまだ展開があるのかな？ワクワクしながら読ませて頂きますね＾＾ (2021年4月17日 0時) (レス) id: 9660734c9a (このIDを非表示/違反報告)
つらら(プロフ) - ぬんさん» ぬんさん、コメントありがとうございます！ そしてとんでもなく嬉しいお言葉まで！ ぬんさんのご期待に添えるよう、この先も頑張りますので引き続き、物語の展開をお楽しみにして頂けたら幸いです！ (2021年4月10日 13時) (レス) id: d8343dd607 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - すごく面白いです！今まで見たことのない作風で、結末めっちゃ気になります！更新頑張ってください！ (2021年4月6日 1時) (レス) id: 86eb208196 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つらら
| 作成日時：2021年3月30日 0時
