［７−５］ ページ5
渡辺side
「俺は大丈夫ですけど、本当に時間いけますか？」
「大丈夫。すぐに話せば間に合いますから」
「じゃあ、はい」
忙しいのに情報収集を
まだしていてくれてたなんて。
頭が上がらないばかりの優しさを噛み締めながら
エレベーター前から少し離れた場所へ移動する。
それからまた2人で人がいないのを確認して。
「前に話してた会社があったと思うんですけど」
「はい。手伝いとかなんかでしたよね？」
「そうです。それで、そこにいるうちの1人が
ちょこちょこ1人で居なくなるらしくて」
「はい」
「聞いてたらその居なくなる時間帯が
大体、渡辺くんがこの局にいる時なんだよね」
「……はい」
心苦しいというように話す戸日野さんに
声が小さくなりながらも相槌を打った。
まだ確証はないと言われたけれど、
思った以上に追い込まれていた俺からは
どうしても疑ってしまう心がそこに生まれてしまう。
「一応でいいから頭に入れといてください。
今俺その子と現場が違うんで、噂程度として」
「分かりました」
「あ、一応どんな子か言っておきますね。
これも申し訳ないですけど手短に」
携帯を取り出した戸日野さんがその人の名前と、
何かの打ち上げで撮ったであろう
写真を見せてくれた。
最後に再三、信じ込まないでと伝えられ、
時間が迫っていた戸日野さんと別れる。
でも俺はしばらくそこから動けず、
急に仕入れた情報に心臓が早鐘を打っていた。
(もし、この人が、そうだったら……)
現状はまだ変わっていないのに
小さくとも見えてきた終わりに力が抜けそうになる。
けれど戸日野さんに言われた通り
全部信じちゃいけない。
だから少し警戒するだけ。
それだけを心掛けて楽屋へと踵を返した。
そうして歩き出せば、
やっぱり幾分か気持ちが落ち着いていたらしい。
ポケットから鳴る携帯を出せば、
メンバー達のグループメールが動いている。
見てみれば今日の午後からある収録についてで。
それへ返事を打ったあと、
みんなに会える午後をちょっぴり楽しみにしながら
すれ違うスタッフさんへ挨拶を交わした。
自分の歩く足が、軽く進んでいった気がした。
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つらら(プロフ) - 春さん» 春さん、コメントありがとうございます！ もう嬉しいお言葉に胸いっぱいです！笑 今はこの作品を完結させることを優先しているのでお時間頂きますが、春さんのお言葉に公開しようかなと甘えて思い始めました！ その時はこの作品共々是非よろしくお願いします！ (2021年3月17日 23時) (
レス) id: d8343dd607 (このIDを非表示/違反報告)
つらら(プロフ) - 青草さん» 青草さん、コメントありがとうございます！ そう言って頂けてめちゃくちゃ嬉しいです！ この先の展開もなかなか都合よくいかない地獄ですが、どうぞよろしくお願いします！笑 (2021年3月17日 23時) (レス) id: d8343dd607 (このIDを非表示/違反報告)
春 - このお話大好きです！いつもドキドキしながら読ませて頂いてます！公開未定の作品があるとのことなのですが、もし主様に少しでも公開したいという気持ちがあればぜひ公開してほしいです！主様の作品どれも大好きなので！！次の更新も楽しみにしてます！ (2021年3月15日 8時) (レス) id: dff8a5af6c (このIDを非表示/違反報告)
青草 - 本当にこのシリーズのお話面白いです！10のシリーズは展開でえぇ！？となりました 次の更新楽しみに待ってますね！ (2021年3月10日 17時) (レス) id: 8f7d50177b (このIDを非表示/違反報告)
つらら(プロフ) - 紫夏さん» 紫夏さん、コメントありがとうございます！ 紫夏さんの予想を裏切る形で驚かすことが出来て良かったです！笑 そして身に余るお言葉ありがとうございます。もっと楽しんで頂けるよう頑張っていきますのでよろしくお願いします！ (2021年3月9日 9時) (レス) id: d8343dd607 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つらら
| 作成日時：2021年2月21日 1時
